プロのドゥーラがついていてくれたことによって、周囲のせわしなさに翻弄され過ぎることがなく、最後まで自分らしくあることができました。
章鼓さんの声、いつも冷静で静かな声が周囲の音がうるさくても不思議とずっと響いていて、常に自分を見失わずにいきめたのがよかったです。同時に、夫の声も煩わしく思わなかったです。章鼓さんの声に最後まで導かれながら自分を保ち、彼の声も受け入れながら意識的に産むことができました。
やっぱり、波形を読み取りながらいきむのは予想以上に難しくて、医師からは、「吸引しましょう」と提案されたのですが、それでも、できるだけ吸引は避けたかったので、休め、と言われた間も自分なりのタイミングで実はこっそりいきんでいました。それに気がついた章鼓さんの「次は誰もカウントしたり叫んだりしないで、彼女のペースでいきませてください」という声がけによって、みんなが静かになってくれて、無痛分娩でありながらもまるで自然分娩のように自分の体の声に従っていきむことを経験できたのがとてもよかったです。そうやって一人静かな状態でいきむと、看護師さんも目を見開く程に上手にいきめ、ズーンとこの子の頭が出口のほうへと降りてきました。そのおかげで、その後の吸引でも、この子がずっと出やすくなったのかもしれません。
クラスで教える時には章鼓さんあんなにアクティブなのに、実際のお産では、すごく冷静に場のエネルギーを読んでいてすごいなと思いました。周囲に積極的な熱いケアがある時には、静かに支えてくれて、私の心のバランスをとってサポートし続けてくれたことが陣中中ものすごく安心感を与えてくれました。クラスで何度もやってきた、相反するふたつの感情を同時に自分の内側に保つことの大切さ。章鼓さんが繰り返し言っていたことがお産ではまさに必要で、その通りなんだなぁって体験してみて実感できました。