食のトレイサビリティー

美味しいもの、安全なもの、ますます貴重なものになってきています
美味しいもの、安全なもの、ますます貴重なものになってきています

日本では、環境省が2013年に7万人を対象に行った“エコチル調査”で、妊娠が分かったときに喫煙していた女性は全体の18%、妊娠判明後に13%は禁煙したが、残り5%は妊娠中期になっても吸い続けていたことが明らかになりました。

この結果からも分かる通り、一般的には、妊娠が分かった時点で、慌てて食生活やライフスタイルを見直すケースがほとんどのようです。

“食”は、命を創る大切な源。だから、日々の選択がとても重要。

そう頭では分かっていても、タバコや汚染された海産物ばかりではなく、遺伝子組み換え食品(GMO)など、食にまつわることで気をつけたいことが現代にはどうやら本当にたくさんあるようです。

アメリカの政府機関FDA(Food and Drug Administratio)は、現在までのところ、GMOの安全性を認めています。ですが、9割ものアメリカ人は、遺伝子組み換え食品の明確な表示を支持しています。

なぜなら、その長期的な影響が未解明にも関わらず、モンサントなどの巨大企業に独占された供給システムによって流通している大豆、テンサイ(シュガービート)、飼料用トウモロコシを含む約90%もの商品作物が、すでに遺伝子操作されているからです。

多様なオーガニック商品を揃えていることで定評があり、アメリカ全土やイギリスなどでも広く展開している大手食料品スーパーマーケットのWhole Foods Marketは、北米とカナダの店舗で販売する全てのGMOを含む商品を18年までに正式に表示すると発表しました。これは、先のまったく見えない暗闇で、光を感じる画期的な動きです。

ですが、GMO対策への抜本的な解決策は、今のところ、消費者の意識改革以外にはありません。

実はこんな文章を書いている私自身も、11年前、妊娠が分かったとたんに、週末に夫婦で飲んでいたワインを控え、ウォーキングと休息をたっぷりとり入れる生活スタイルに切り替えました。授乳後、ワインを再び飲むようになっても、できるだけ無農薬ワインを選びたいと思うようになりました。

それまでは必要とあれば服用することもあった市販の風邪薬も、ひとたび食を意識しはじめると、不思議と飲みたくなくなって、風邪のひきはじめや喉の痛みなどには、薬草やレンコンといった昔ながらの食材、ハチミツなどを今まで以上に取り入れるようになっていきました。

しかし、ハチミツを買う時にさえも、偽装表示に注意が必要だというニュースを先日目にしました。

アメリカ各地のスーパーマーケットやドラッグストアで販売されているハチミツを調査したところ、ほとんどすべての商品で花粉が完全に取り除かれていたとのこと。欧州では、ハチミツの産地を特定するために花粉を残存させることが義務となっていますが、アメリカでは規制がないのです。

FDAはウェブ上で輸入ハチミツへの注意勧告も行っていますが、我が家の食卓に並ぶものも、大気汚染やボツリヌス菌などの汚染リスクのあるハチミツかもしれません。栄養価がとても高く、免疫力アップを期待できる身近な食品であるからこそ、そんな、産地、採取方法、加工方法をめぐって不安感を持たなければならないことをハチミツが大好きな一消費者として残念に思います。

ハチミツに限らず、アメリカに限らず、今、世界中どこにあっても、何の食材であっても、トレイサビリティーを意識しなければならない時代であることを痛感しています(参照:National Geographic News)。

そんな中、自分がどのように新しい命を迎えていきたいのか。
どんなことを自分は気をつけて命を育んでいきたいのか。

そんな妊娠・出産に向けての自分なりの指針を、できるだけ早い時点で持てると、
それはとても強力なリソースになってくれると私は信じています。

食べ物選びは、ほんのひとつのきっかけ。
日々、こころとからだのアンテナを張り巡らせて、世界の大状況から学び、取捨選択をし、
『私なりの精一杯のお産』を見つけていってもらえたらと思います。

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