第30回 私の仕事環境

不安定になりがちな、産後ライフも応援

手づくりの木のおもちゃや棚、お人形

なにを隠そう。3月現在、我が家にはご覧の通り、いまだクリスマスツリーが飾られている。

だって。。。

生木の香りがあまりにいいアロマ効果でね〜。

もったいなくて、愛おしくて、処分できない。。。

処分先にも困っていた ら3ヶ月経ってしまったよ。。。

すると!!!

釜焼きピッツァ

幸運にも娘の通うシュタイナースクールで使ってもらえることになった。

毎週行われる釜焼きピッツァ用の薪にするとのこと〜❤️

本当によかったよ〜涙!

別の用途に生きて命を循環させてくれる!

ところで、

ここエジンバラでは、子育て情報誌や冊子などの情報媒体に、ごく気軽にドゥーラについての紹介が毎週のように掲載されている。

全国に散らばるドゥーラたちをとりまとめる組織もすでにいくつか存在し、UKにおけるドゥーラの立場とその役割はゆっくりとでも確立してきたように見受けられる。

病院出産もサポートするが、ドゥーラの仕事内容として一番多いのは、ホームバース(自宅出産)希望の方へのエモーショナル・サポートだ。 

妊娠中から、我が家に来て頂いてセッションを受けていただいたり、出張訪問を重ね、実際のお産では、家族同然にミッドワイフ(助産師)をもてなし、お産のお供をするのだ。

基本的に、たとえ何十時間になろうとも、赤ちゃんが生まれて、胎盤が出て、初乳を飲んだことを確認して、無事に母子が清潔で乾いた床に落ち着くまでを見守る。 

それって実はとんでもなく大変なこと!!!

全身全霊で付き添っているので本当にヘトヘトになってしまう。

気力が全て女性とその赤ちゃんに注がれるので、自分のことは全く無感覚になってしまうのだ。

特に分娩に寄り添った翌日からどーっと疲労感が出て、丸一日使い物にならなくなるほどだ。

それでも、そんなことは言ってられない。

産後は、ホルモンの変化と育児で精神的に不安定になりがちな産後ライフを応援するからだ。

妊娠から出産、産後まで女性の傍に寄り添うドゥーラだが、正直、悩みもある。

夫、夫の会社、周囲の友人、知人に助けられて

ほとんどのドゥーラが子持ちで、

しか〜も!!!

お産が好きで好きで仕方がない人たちなので3人も4人も子どもがいたりする!

当然、時間的拘束の大きいドゥーラの実態を知り、根をあげる人も多い。 

せっかく一念発起してドゥーラになったけれど、家族のサポートを得られないまま足踏み状態の人もいる。 

私は個人的に恵まれているほうだ。仕事と家庭が完全に同じエリアにあるので、無理をすることは多々あっても、極端な無理にはならずに済んでいる。

夫の会社は、妻の仕事に理解があり、子連れ出勤や早退も状況によって許される。

おかげで私は24hのスタンバイ状態を保っていられるのだ。

周囲の友人、隣人にも大変お世話になっている。 

この絶妙なバランスのサポート体勢のおかげで、今のところ、娘を見ず知らずのシッター業者に駆け込みであずけることなく、自分の住まうコミュニティーを舞台に、大好きな妊婦さんたちのそばに安心して寄り添っていられる。

しみじみ。。。

感謝。。。

なんと幸せなドゥーラなのだろう。 

今日もこれから出張訪問✨

娘が園で遊んでいる時間をフルに使って予定日を5月に控えた妊婦さんのお宅までひとっ走りしてこよう! 

次号に続く→

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こちらは2006年から10年ほど書いていたブログの復刻版です。お読み下さりありがとうございました。

ノマドなドゥーラが運営するノマドゥーラ ウェルネスで

ケアを提供しているLOVEドゥーラAkikoの公式サイト

↓ 

https://nomadoula.com/pcbo/

ちなみに↓今住んでいるフランスから会陰のマッサージについてYouTube動画撮りました(エグいサムネイルですみません)。チャンネル名は「オーガズミック ランドスケープ」です。このサムネイルも動画編集もこなしてくれているのは、この時の娘っ子です。今度のお誕生日で17歳!❤️宜しければチャンネル登録してご視聴くださると嬉しいです♪

第29回 ドゥーラの役割とは?

娘とレオくん

お正月休みはフランクフルト郊外に住むドイツ人の友人宅へ行った。

スキーよりやっぱりまだソリのほうがいいという娘とレオくん

振り返ると、2007年に、SDN(スコティッシュ・ドゥーラ・ネットワーク)認定のバースドゥーラの資格を取得。以来、私もドゥーラとして実際のお産に立ち会う機会が増えてきた。

ドゥーラだからこそ足を踏み入れることのできる聖域で、感動と気づきの連続に、

「生きててよかったぁー!」

の気持ちで日々どこまでも満たされきっている。 

一方、院を卒業後も、学会や勉強会に毎月のように出席しているので、生活は多忙を極めている。

先週も、ホームバース・カンファレンスのため仲間の助産師とドゥーラと一緒に6時間かけてシェフィールドまで泊まりがけで行ってきた。

そんな慌しい毎日で、なかなかパソコンに向う時間もとれないまま、気がつくと最後の連載アップから半年以上もたってしまった。 

ところで、ドゥーラについて知っている方は日本にどのくらいいるのだろう? 

いったい何をする人〜? 

と日本人の方によく聞かれる。

ドゥーラとは、もともとギリシャ語で、助ける人(女性)を意味する。

そこに「バース」が付くと、医療行為は行わないが、基本的な出産サポート訓練を受けている分娩付添人となる。

物理的に離れているせいで実際の分娩に立ち会わずに、情報だけを提供することもある。

家に上のお子さんを置いていけない場合には、産婦さんがパートナーと病院へ行っている留守を守るベビーシッター的役割を担うこともある(私はこの経験はまだないが)。

医療スタッフにはできないことをする 

手づくりの木のおもちゃや棚、お人形

シュタイナースクールで仲のいい娘のクラスメート宅。ママ手づくりの木のおもちゃや棚、お人形でいつもいっぱい

私の受けたアデラ先生創設のドゥーラ養成コースでは、実践的なサポートと並行して、産む女性へのエモーショナル・サポートについて学びを深めることに主眼をおく。

ミッドワイフ(助産師)としてお産をサポートしてきた経験のあるアデラ先生は、「ポジティブ・ペイン(直訳すると前向きな産みの痛み)」を出版しているほか、現在は出産に関わるコラムなども数多く執筆している。

それらのなかで一貫して彼女の強調しているのは、医療スタッフと産みゆく女性がより絆を深めることができ、安心してお産にのぞめるよう、ドゥーラとは、妊娠―出産―産後を見守る「非医療スタッフ」としての立場を明らかにしなくてはならないということである。Les doulasAmazon(アマゾン)3,270〜4,032円

アデラ・ストックトン著 ‘Birth Space, Safe Place’フィンドホーン出版もお勧め

クッション役がいるから、助産師さんも安心 

第3セクターであるドゥーラがいることで、産む側(たいていの場合、産婦さん本人とパートナー)と医療スタッフとの間にワンクッションおくこともできる。

二者対立構造に陥りにくく、産む側は無用に感情的にならずに済むとも述べている。

自分の受け持ちの妊婦さんについて話す時に、「彼女、ドゥーラをつけるらしいから安心できるわ。」とミッドワイフ(助産師)が話すのを私自身も何回か聞いた。 

ドゥーラがいる方が、すべてにおいて事がスムーズに運ぶのだと言う。

ドゥーラのいるお産と、いないお産の違いを誰よりもハッキリと肌で感じているのは、どうやらミッドワイフ(助産師)たちのよう。

分娩の所要時間が2時間も短縮された 

お産の現場に漂いがちな緊張感によって、いつのまにか曖昧になりがちな産婦さんの希望を成就すべく全身全霊で尽くす。

これは、「医療スタッフであってはなかなかできないことである」、そうネピア看護大学の助産学のネッサ マキュー先生(助産師)も熱をこめて話される。 

エジンバラ大学で教鞭をとるローズマリー・マンダー教授(助産師)も、著書のなかで、家族以外のバースパートナーの筆頭にドゥーラを挙げている。 

さらには、ドゥーラの付き添うお産とそうでないお産について、たとえば、 

・分娩の所要時間が平均で2時間ほど短縮される
・帝王切開率が50%下がる
・会陰切開率および産後うつに罹る率が激減する

など、さまざまな調査結果を、ミッドワイフ(助産師)とバースティーチャーを対象とした勉強会で紹介されていた。
(→続く)

春の風を葉いっぱいに吸い込んだ木々
木々が春の風を葉っぱいっぱい吸い込んで、ますます深い緑になって娘の学校のシュタイナースクールの校庭にて



次号に続く→

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お読み下さりありがとうございました。

ノマドなドゥーラが運営するノマドゥーラ ウェルネスで

ケアを提供しているLOVEドゥーラAkikoの公式サイト

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https://nomadoula.com/pcbo/

ちなみに↓今住んでいるフランスからお産体験の振り返りについて、ちょっと偉そうにYouTube動画撮りました(すみません)。動画編集してくれているのは、この時の娘っ子です。今度のお誕生日で17歳!❤️宜しければチャンネル登録してご視聴くださると嬉しいです♪

第28回 母体は地球の一部

ルイーズのアートに感じることと‘変革につながるお産’には共通点がある。

‘Transformative experience’、つまり「変革・変容につながる体験」となりうる可能性をはらんでいる。

敬愛する三砂ちづる先生(*1)が、エジンバラの我が家に息子さんと遊びにいらして下さった折に話して下さったが、‘変革につながるお産’には、いくつかの必要条件というか、因子があるという。

その因子のリストに、‘ほの暗い光’や、‘適度な湿度’と聞くと、お産とは、産む環境によって大きく影響されるものなのだと納得せずにいられない。

近代化によって、お産の何が失われたのか

いつまでも夜の明るいこの季節

いつまでも夜の明るいこの季節、少し自転車で走らせるとこんなステキな場所と遭遇できる。

海が、潮が満ちては引くように、古今東西、女性はカラダという器を共鳴させながら命を産みつないできた。

時代は変わり、今はほとんどのお産が施設内で行われている。

いかに効率よく産むか、安全に産ませるか、ばかりが注目されてきた近代化以降のお産。

個人のお産体験は、医療化の波によって、どのような影響を受けてきたのだろうか。

欧米を中心とした世界では、一部のこころある助産師や医師といったケア・ギバーズと、人類学者や、社会学者のような学者たち、そして、産みゆく女性たちの3者が一体となって、ここ数十年間、継続的に、お産における産婦の‘autonomy’(←この意味は後で書きます)をあらためて価値付けしようとする動きがみられる。

お名前を挙げはじめるときりがないが、「お産のリボーン」をはじめ、島袋伸子さんや日隈ふみこ先生、松岡悦子先生など日本にも、それぞれの立場ですばらしい活動をされている方が数多い。

そこまでして尊重されなければならないお産のautonomyとは、

いったい何?

実はそれこそが、お産の勉強をはじめて以来、

私の一番の関心事である。

まだ日本語にきちんと訳されきれていない感のある言葉なので、つい慎重になってしまうが、辞書には、‘自律性’、‘自主性’、‘自治’で載っている。

お産は、こころとからだを再統合する癒しのプロセス

夜が怖くない

↑この写真は夜10時。夜が怖くない、暗闇にならない。白夜の季節は夜更けに自転車に乗るのが楽しくなる。

ケルトの大祭が真夜中の12時にスタートすることをおもっても、人類はこうやって太陽のめぐりに合わせて神事を執り行ってきたのだと思う。

大自然の営みと、自分の内側の営みを共鳴させ合いながら私たちは在ったのだ。

私たちは、大自然に生かされている自分に感謝をし、自分の心身にお伺いを立てながら、autonomous(autonomyの形容詞)な存在として、在った。

それがいつしか、ヒトがヒトとして未来に続いていくための、最もリプロダクティブな営みであるはずのお産において、autonomyを失いつつあるというのは、どういうことを意味するのか。

言葉足らずの自分だが、今の私にとってautonomousなお産とは、周囲によって方向づけられることなく、産婦本人の持てる力を余すところなく発揮できるようなお産をさす。

結果、予想外のことが起きて落胆することも、絶望を感じることも、思いもしなかった変容も全て含めて、自分の人生に起きたこととして体験していくのだ。

悲しみも、幸福感も、狂喜乱舞するような心の状態も含まれ、それらが自分の器の中で溶け合って、それでも人生の時間が続いていくことを受け入れていく、

それが私なりのオートノマスな在り方だ。

同時に、こころとからだを再統合してくれる癒しのプロセスでもあると思うのだ。

96歳のアーティストが描く、妊娠・出産・授乳シーンは・・・

前回27回目で書いた人生の遍歴を経た老婆ルイーズ ブルジョアの描く妊娠・出産・授乳シーンも、つねに相反している。

もろくて。。。それでいて力強い。

ぎこちなくて。。。同時に美しい。

純粋に、母体が地球の一部であり、

花一本のようにはかなく、同時に、

すでに完全であることを思い出させてくれる。

まるで人災・天災で傷ついた大地が、

それでも再び萌え、

自らの力で癒えようと、

意識なき意識を絶えず働かせているように私には思える。。。

創作活動を続けるルイーズ半球のガラスの中で納められる出産シーン
絵画、立体、彫刻と、カタチにいっさいとらわれず、創作活動を続けるルイーズ半球のガラスの中で納められる出産シーン。360度、絶えず観察される母子、という感じがした

(注1)三砂ちづる(みさご ちづる)
津田塾大学国際関係学科教授。専門はリプロダクティブヘルスを中心とする疫学。著書に、『月の小屋』(毎日新聞社)、『コミットメントの力』(NTT出版)、「疫学への招待」(医学書院)、「昔の女性はできていた」(宝島社)、「オニババ化する女たち」(光文社新書)、『 きものとからだ」(バジリコ)、ほか多数

(注2)
たとえば医療人類学の世界では、ロビー・デービス・フロイドや、エミリー・マーティンが女性のエンパワメントにつながる研究を残していて興味深い。

次号に続く→

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お読み下さりありがとうございました。

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ちなみに↓今住んでいるフランスから重力を使ったお産について、ちょっと偉そうにYouTube動画撮りました(すみません)。動画編集してくれているのは、この時の娘っ子です。今度のお誕生日で17歳!❤️宜しければチャンネル登録してご視聴くださると嬉しいです♪