リコンサイル

人は変われます。
子産み子育て中は、

「じかんぐすり」が、
思いのほか効きますよ。

ぜったいに許せない!と
思っていたことでも

少しずつ記憶の角が取れて、
まあるくなっていくんだから。

考えてもみてください。

悲しみやぎこちない感情を
溜めたままだと、

慢性的に心がかたまり、
カラダもほぐれていかない。

ケアギバーとしても、
母親としても辛いから、

じかんぐすりが効き始める
まで、目の前のことに
集中してみればいいですね。

お産そのものの進行だって、
妊婦さんに気持ちのわだかまり
があるよりも、ほわ〜んと
ほぐれてスッキリしていたら
よりスムーズにいきます^_^

産む女性。
見守る家族。
それを産前〜産中〜産後と
見守るチームのみなさん。

そのお一人お一人の役割は
どこまでも広く、大きい。

最近では、どんなことが
起こっても、まず起きたこと
に対する心からの感謝、
「ありがとう」が昔より
ずっと素直に出てくるように
なりました。

私がじかんぐすりの効果を
宇宙一感じている人間かも
しれません。

声のブログ(ameblo)にも
こんな話を残しています
↓↓

15年来の仲間同士が仲直り!

https://ameblo.jp/todoa777/entry-12643699347.html

バースセンター見学を通して考えた助産師さんのストライキ

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今回はロンドン南エリアの大学病院West Middlesex (website WestMidmaternity.org.uk) 病院内の産科、Queen Mary Maternity Unitとそのケアについて紹介します。長年地元でベテラン助産師として病院出産、バースセンター出産、自宅出産に深く関わってきたPo-Ying Li先生にお話を伺いました。現在、NHS(UKの国民保健サービス)では、テムズ河エリアに点在している産科病棟9つのうち4つを閉鎖して5カ所に減らす動きがあるそうです。

幸いなことにWest Middlesex病院の産科は今後も存続し続けますが、周辺から妊婦さんが産み場を求めて駆け込んでくることが予想されるため、今後は年間500件のお産の増加を見越して、助産師の数も増やす方向です。現状では、大学病院勤務、バースセンター勤務、コミュニティー勤務(地域の各家庭へ訪問)の数をすべて合わせると150―180名ほどの助産師がこの大学病院を通して妊産婦さんのケアを行っていますが、「ただでさえ低賃金で頑張っている助産師はますます忙しくなってバーンアウトしていく人も現れるのでは、、、」と懸念する声もあります。

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West Middlesex病院内のバースセンターの分娩室と助産師のPo-Ying Li先生

ましてや、このWest Middlesex病院では昨年、助産師たちによる賃上げストライキがあったばかりです。私も助産師応援団の一人として旗を振り、何回かこの時のストライキにも参加しましたが、「Enough is enough!(もう限界!)」というスローガンを掲げ、傘もささずに厳寒の朝から街頭デモをする彼女たちの濡れそぼったコート姿は忘れられません。英国助産師会(the Royal College of Midwives RCM.org.uk)が指揮をとり、助産師が一丸となって全英で数回に渡って展開したこの時の訴えは全面的に国に認められましたが、過去3年もの間、給料アップせず、インフレ率は彼女たちの給料上昇率を上回り、助産師の中にはフードバンク(食糧を配給する国の社会福祉サービス)を利用しなければならない人も一時はいたそうです。

West Middlesex病院内のバースプールの様子、産綱も天井から垂れています
West Middlesex病院内のバースプールの様子、産綱も天井から垂れています

さて、この病院の施設を見てみましょう。入ってすぐのブッキングエリア(受付)はかなり混んでいます。さまざまな人種の女性たちがソファーに座って順番のくるのを待っています。妊娠中のデイアセスメント(検尿・ウルトラサウンドなど)を行う産科・婦人科エリアと、実際のお産が行われる病棟はいくつかの扉と大きな廊下で仕切られており、一般的な日本の総合病院と同じようなつくりです。

大きな違いは、バースセンターの存在です。病院施設に併設というより、廊下の延長で続いているバースセンター内では助産師に主導権があります。侵襲的な医療介入をできるだけ減らし、母子の健康と安全を目指した助産理念のもと、当然のことながら、自然分娩率は高くなります。産後の完全母乳育児率も同様です。さらにWest Middlesex病院では、広々とした4部屋(4床とも水中出産可能)に加え、誕生死(Stillbirth:赤ちゃんをお産で失うケース)といったトラブルに遭った方のみ利用できるファミリールームが2部屋あるのです。

誕生死などトラブルに遭った家族が休む部屋の壁には額縁と並んでTVも
誕生死などトラブルに遭った家族が休む部屋の壁には額縁と並んでTVも

あたたかい雰囲気の絵や刺繍のクッションが他の部屋とは違うやわらかい空気感を漂わせています。壁のテレビは、バースセンター内で唯一、このふたつの部屋にしか無い備品ですが、苦しい時にわずかでも気が紛れれば、と備え付けられたそうです。私もドゥーラとして日ごろ感じていることですが、誕生死の方は、本当にサポートが必要です。「赤ちゃんの死というとてつもなく深い悲しみと傷を負った心身を少しでも癒してもらえれば」と語るスタッフの助産師は皆さんほんとうにあたたかい笑顔の働き者です。

病院勤務の助産師とバースセンター勤務の助産師は、同じ建物の中で住み分けているわけですが、バースセンター勤務の助産師のほうが、対応に余裕があるというか、明るい笑顔の方が多いように感じます。権限をもつということは、大きな責任を担っている。それだけ負担も大きいでしょうが、別の見方をすれば、自信をもって生き生きと仕事と向き合っているとも言えるのかな、と思うのは私だけでしょうか。

そういった助産師の中には、私が地元のドゥーラ仲間と開いているPositive Birth の会にも非番の時間帯に応援で顔を出したり、ボランティアでお手伝いをして下さる方々もいます。

ここであらためて繰り返すまでもないことですが、私は、バースセンターで日夜頑張っている助産師や自宅出産をサポートしているコミュニティー助産師を応援しています。母子の健康のために少しでも力になりたいという熱い志をもった彼らがストライキを行わなければならないなんて悲しいことです。でも、時には敢行しなければならないこともあるでしょう。そんな時にはこれからも立ち上がって彼女たちを精一杯応援したいと思っています。

以下の写真は、お世話になった病院・バースセンターのスタッフに宛ててお母さん方が退院後に送ってきたというお礼状を集めたボードです。日々これらの文章に励まされながらスタッフの皆さんは何とか頑張っているということです。皆さんもお世話になった病院や地域のクリニックにお礼やフィードバックを送ってみませんか。

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お産、政治、女性たちの声

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*世界の聖地のひとつとも言われるグラストンベリーに古くから伝わる聖なる泉、チャリスウェルを訪れました。見事な庭園で一日のんびりするもよし、フラワーエッセンスのワークショップに参加したり、本屋でお気に入りの本を探すもよし。私たちのお気に入りのスポットとなりました。

英国からの独立を問う住民投票。
結果は賛成45%、反対55%で、スコットランド独立は否決されました。

現在はロンドンに、そして以前はスコットランドに4年間ほど住んでいた者としては、正直、ちょっぴり残念な気持ちもあります。

もちろん、これまでのようにUK内に留まれば利点も多いでしょうし、国際社会に(大国UKとして)与える影響力も大きいとは思います。

現実的に考えてみても、通貨や今後の医療システムについてなど白紙の部分が多く、先行き不透明な独立案でしたから、まわりからみたら夢物語にしか見えなかったかもしれません。

今回の選挙戦を当初は静観しようとしていた(先のメルマガにも書いた通り、どちらでもいいのでは?むしろ独立などしないほうがよいのでは?と冷静だった)私が揺さぶられたのには、大きな理由があります。

スコットランドの助産師、ドゥーラ、母親の一部が立ち上がり、独立を求めて動いたことです。

「子産み子育ては文化そのものの!」彼女たちはくりかえしました。今のNHS(日本の国民健康保健のようなもの)のあり方のままでは、女性が自分の持てる力を使いきることのできるお産は存在しえないと彼女たちは絶望視しているのです。

しばらく前に法が書き換えられ、現在、開業助産師は高額な医療保険に加入していなければお産をとれないという危機的な状況に追い込まれているイギリス。

長年地元で開業してきた方々が今、ことごとく廃業に追い込まれたり、NHSコミュニティーミッドワイフチームに組み込まれてきています。

30年も地元で根を張って頑張ってきた開業の方々が、今、医療システムの激変に伴い悲鳴をあげるのを見るのは辛いです。

「20年、自分なりの理想を求めて助産師をやってきたのに、まさか今更こんなことをさせられるとは。。。」とこぼしたり、「なんとか今年はもちそうだけど、来年は私も病院勤務かな」と暗澹たる未来を憂える方もいます。

そういう背景があっての今回の選挙。スコットランド独立をめぐる問いは、彼女たちにとって、いえ、産む性である女の人にとって、とてもコアな部分を直撃するような問いかけだったのです。

*余談ですが、億万長者のアッシュクロフト卿は、頻繁に世論調査http://lordashcroftpolls.com/2014/09/scotland-voted/を行っており、今回の選挙結果についても、年代別投票結果を公表しています。サイトの管理人である菊川智文さんのお作りになった世論調査の結果を参考にさせて頂くと、 2千人余のうち、25-34歳の年代層の女性の独立賛成率は他の世代、性別と比較して、59パーセントと最も高く、ほぼ6割になっていますhttp://kikugawa.co.uk/ リプロダクティブな活動に関心があると思われる25-34歳の女性たちが最も多く独立を希望している。。。やっぱりなぁ、と思わずにいられません。

‘自分たちは何者なのか?’

‘一体どうして今のような枠組みに仕切られるようにならざるを得なかったのか?’

投票日数週間前から、私のもとにもそのような問いかけが個人メールやソーシャルメディアを通して届くようになりました。‘産み方に自由が認められるように、私たちは政治に関しても自主性、主導権をもつべきだ!’という女性たちの悲鳴のような声が連日、それこそ24時間ノンストップで飛び交ったのです。

‘自分たちの住む場所に関する政治は自分たちの手の届く範囲内でなされるべき。さもなければ自分たちのお産は取り戻せない!’、

‘自律性とは結局なんなのだろうか?’、

‘巨大な母船にあらかじめ乗せられていて、操作されたお産しか選べない中で、どうやってスコットランド人を育てていけるのか?’

そんな声の数々が耳元をかすめていくうちに、私は学生の頃に訪れたアリゾナとニューメキシコに点在する居留区にまるで‘幽閉’されたように住まわせられていると表現するに等しいズーニー族やナヴァホ族といったネイティブアメリカンの人々のことを思い出しました。

広大な国土のごくごく一部をリザベーションと名付け、おそまつなフェンスで囲い、そこに彼らを留め、実質的には居留区以外の土地では通用しにくい‘アメリカ人’を育てる。そこにはアルコールとドラッグが蔓延し、一方で、埋蔵されている希少な地下資源だけはことごとく母船であるアメリカ経済に吸い取られ、さらには採掘にともなう深刻な大気汚染や水質汚染といった環境汚染まで居留区内の人々が引き受けさせられている現実に似たものをスコットランド独立問題の背景にもうっすらと感じました。

次第に、スコットランドの女性たちが、マイノリティーとして不屈の精神で脚を踏ん張っているように私には感じられていったのです。だからこそ、今回の選挙結果にはなんとなく苦いような気持ちが今も私の中に残っています。

それでも、光を感じるようなこともあります。先日、遊びにきてくれたイギリス人ドゥーラの先輩であり、エジンバラに長年住む二コラさんがこんなことを言っていたのです。

「グラスゴーでは独立反対派が街に火を放ったりして恐ろしい光景が広がって、反対派と賛成派の間に大きな溝ができた。でも反面、‘みんなが政治に戻ってきた!’という実感があるの。だって、あんな投票日、私見たことなかった。身障者の人々は車椅子を押されて投票していたし、投票権を得たばかりのような若者も、赤ちゃんを抱いた母親も、おばあさんも杖をついて、みんな、ほんとうにエジンバラ中の人々がぜーんぶ集まったんじゃないかって思えるくらいに投票会場は人で埋め尽くされていたわ。

あぁ、あんなのは人生にそう何回も見られる光景じゃない。自分は今、歴史の一部になっているって感覚があった。みんなもきっとそうだったと思うんだ。そういう意味では、どっちに転んだとしても、人々が政治と‘リコネクション’できたのはよかったと思う。私はYes派だったから結果は残念だけど、次の世代が独立に向けて動いていってくれるはずだし、そのステップのひとつになれたんだから、爪痕を残せただけでも喜ばなきゃね」と。

私は彼女の目線やしぐさも含めて、慎重にえらびとった彼女の物言いから、独立への彼女の深い想いを感じました。

それでもなお、現実の中に光を見ようとする彼女のこころの動きに触れた時、なにかがほどけるような、ジーンと湧き上がってくるものがありました。

「起こることはすべて、きっと必要があって起きている。だから、無駄にはせずにそこから学びたい」

そんなニコラさんのような心の姿勢こそ、きっと新しい命を照らすことでしょう。ロウソクの芯のように、外側の姿は移り変わっても、ずっとどこか奥深い部分に存在し続けて、国の枠を越えて引き継がれていくに違いないと感じたのでした。