女性として大切にされるケアとは

ボンジュール。いきなりですが齋藤麻紀子さんのお言葉の引用です✨

「無痛分娩を希望したのに

痛かったとクレーム言われる方がいます。そうねえ、痛いこともあるかもね。

お産の後も痛いし、母乳飲ませるのも痛いし、

歩くのも座るのも痛いし、その後の子育てや夫婦関係だって痛いこといっぱいあるよ。

お産は、痛いものなのです。

不安いっぱいで、ギャーギャーいって、泣いて叫んで、そばにいて、
手をつないで、撫でてって、プライドなんか放り投げて、

そばにいてーー!

って言えるから、

女の人は成長するんじゃないかな。

そして、そのときに、そばにいてくれた人、
手助けをしてくれた人と、

ゴールを喜びわかち合い、

涙しハグし、


嵐のあとの美しい虹をみんなでみるような、感動を味わうの。

感動があると、感じて動く。

産んだ人も、寄り添った人も、
体の内側から何かが動きわきだしてくるのです。

その、内なる発動が、
心身の傷を癒していくのです。

お産の寄り添いとは、
ものすごく人生を豊かにします。

2020年11/27(金)夜9時〜
「女性として大切にされるお産の寄り添いとは」をテーマにUmiのいえ企画のオンライン講座を開催します。

人として、女性として大切にされるお産は、お産に関わるすべての人々の心合わせ、「寄り添い」がなによりも大事になってきます。

同時に、産む女性たち本人も、
より主体的になってお産への準備をしていくこと、
心でつながるパートナーシップを求めていく姿勢が大切です。

お話くださるのは、各国のお産を見聞きしてきた
出産ドゥーラ木村章鼓さんです。



助産師の力と人権意識の高いイギリス。

医療化が進み過ぎた結果、周産期ケアの
質の低下が問われているアメリカ。

そして無痛分娩が主流のフランス。

医療の在り方、出産への価値観が
社会・文化的に異なる外国で出産ドゥーラ
として得てきた知見を木村章鼓さんにシェアしていただきます。

日本のこれからのお産に役立つエッセンスを
参加者のみなさんでシェアしていきましょう。」

11/27(金)のお申し込みはこちらをクリック!
以上、熱い告知を書いてくださった「Umiのいえ」代表の齋藤麻紀子さんのハートフルな文章。いつも励まされています。私の大好きな女性です。齋藤さんと一緒にこの夏は
「愛」〜「待つお産」〜「直感」と3本のプチトークを
YouTubeにあげています。ぜひ登録してご覧ください♪





お産のシェアリングの多様性

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<母カフェのトモコさん宅から見えるエッフェル塔越しのモンマルトルの丘。絶景でおしゃべりもさらに弾む♪>

今回のブログは、お産体験のシェアリングの多様性についてです。抽象的な文章で、分かりにくい部分が多く申し訳ありません。というのも私自身も未熟で、自分でも丁寧に感じていきたいと日々考えているフィールドなので、どうしてもうまく言葉にまとまらないのです。感じているままに書きますが、不明瞭な点があったらお許しください。

自分自身のこれまで満たされなかった想いに気づいたり、過去と向き合えたりするということも含めて、お産体験を丁寧に振りかえることは、勇気のいることであると同時に、聴く側にとっても、そして話す側にとっても、大きな収穫を与えてくれるものです。女性たちが定期的に集まり、お相手のどんな話であっても、お互いを責めない、批判しない、尊重するという暗黙のルールを守った、いわゆる‘場’の整った状態では、究極的に相手も自分も‘ひとつ’。すべては‘ひとつ’、という感性が自然と引き出されていきます。そんな時空間で様々なケースのお産談に傾聴していくこと自体が特別な作用を全体にもたらします。

ただ、辛いお産だった方が出産体験談を一方的にシェアするとなると、あなたがもしもピアグループの主催者の場合、これから産むプレママにとって、恐怖体験を聴くことによって妊婦さんの不安感を増し、その影響が本番のお産に現れてしまうのでは?と主催者側特有の配慮が湧きあがってきませんか。

UKにいた頃、現地ママたちの集まるランチ会に参加したところ、あるイギリス人ママさんが自分のお産体験を長時間話しました。黙って自分の話を聞いてほしい、封じ込めておいた無念さや悲しさを周囲にぶちまけずにはおられない、そんな勢いを参加者はみな感じたことでしょう。自然に私の腕が伸びてしまって、彼女を抱きしめているうちに私まで涙がとめどもなく流れて、痛みを少しでも共感したいと思いました。後日、彼女からメールを頂き、とても癒されたと書かれていました。ただランチ会でしたから、他の方は食べ物もその後喉に通らず、空気が落ち着くまでに時間が相当かかったことを思えば、妊婦さんのいない席であって本当によかったと思います。こういう経験をすると、当然、聴き手(プレママさん)を想い、どういう形で会を開こうか、オーガナイザーとしては躊躇してしまうことがあって当然ですよね。

ところが前号でも紹介したポジティブバース(PBM)や、しあわせバース@パリにおいては、たとえ緊急帝王切開となり、産後も長時間母子別室だったようなケースでも、本人の捉え方次第でポジティブなお産に当てはまります。逆に、周囲から安産と言われた方でも、「あれはひどかった」、「傷ついた。。。」という体験をされた方もたくさんいます。そもそも、ネガティブな部分が微塵もない出産体験なんて存在しませんよね。しんどい部分があらかじめ織り込まれているからこそ、お産は実りある豊かな人生経験になる、そんな目線で語れる会だからこそ、その時のしんどさや、こころの傷をバネにした先輩ママからの生きた提言が妊婦さんの胸に響くのだと思います。

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<ドゥーラケアさせて頂いたママの赤ちゃんのつぶらな瞳がいとおしい~!>

「自分の体験が悲惨だったので、これまで何年もネガティブな気持ちしかお産に対してなかったけど、まわりや自分の子どもには、そして孫には、自分の味わった怖い体験だけではなく、しあわせなお産も実は世の中にたくさん存在するということを知って欲しい」と感じられたり、「辛かったけど、あの時の自分にはああいうお産がどうしても必要だったんだ」と腑に落ちたり、納得されたりする様子に、‘お産のふりかえり’はまるでマジックのようだと思う時があります。次元が変わると言ったらよいのでしょうか。

もちろんバイアスはあると思います。つまり、そもそも私のまわりにいらっしゃる女性たちは前向きな方々が多いというのはあるかもしれません。でも、参加者を思いやる場を設定した会やプライベートセッションでは、辛い体験談を初めて打ち明けて下さる当人にも、何かヒーリングのようなものが起こることが結構あるのです。

誰しも、日常から離れ、安心できるコミュニティーが自分にあったら、私たちは自分のことについて今感じていることや、これまでに感じてきたこと、抱いていた期待、絶望感、押し寄せる不安、希望について、よりありのままに話せますよね。それはたぶん、とても特別な機会だと思います。本人にとって、そんな特別な場でお産を振り返る時に生まれる感情だからこそ、自分にとって未知なものであったり、自然と癒しに満ちたものであったり、新たな気づきであったりするのかなぁと思います。

とはいえ、それも本当に人それぞれで、『私は何も感じなかった』と感じる方もいるのでしょうから、私が‘お産のふりかえり’について、こうしてブログで言葉にしてみるのはとても軽薄な気がしてしまいます。

でも、、、

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<螺旋階段フェチです。どこで撮ったかも忘れてしまいましたが見とれてしまいます~>

たぶん、私たちには誰しもまわりの喜びや幸せに共感したいという質が備わっているのでしょう。もちろん、お互いの悲しみや苦しみに対してだって、人として共感はできるのですが、本来、喜びやしあわせに共感するほうが、はるかに簡単で、もっとずっと大きなエネルギーをもらえると私たちの無意識は知っています。相手の喜びや、誠実さに対して非常に高い共鳴力を持っている私たちが、愛と思いやりに満ちた場で、パソコンの画面や電話を通じてではなく、目の前に座った相手の喜びのバイブレーションをじかに受け取る時、それは私たちがどんな立場におかれていても、大きな糧になります。

と、こんな書き方をすると、「よく周囲を妬ましく思う自分」を長年自覚してきたような方は、ひょっとして「そんな共感能力は自分にはない」と感じるかもしれません。でも、お産に限らず、何かについて、真剣にシェアするということはとてつもなく大きなエネルギーの交換です。お互いにとって、必要なエネルギーが交差したり混ざり合ったりして、最終的にはちゃんとおさまるべきところに沁み込んでいくのは、しっかり感じられるかと思います。

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<美しすぎるフィボナッチ係数に植物園でも遭遇。なぜこんなに完璧なのでしょう>

時には、お産でさまざまな体験をされた方、例えば赤ちゃんを死産で失ったママさんからの言葉が、妊婦さんのこころの滋養となることもあります。絶望の淵から這い上がってこられた方の培ってきた命への誠実さ、強さに触れ、妊婦さんは信じられないほどの力を頂くからです。普通に生活をしていたら決して出会うことのない試練を味わわれた方が会に参加して下さり、そのプロセスを周囲と分かち合う時、個を超えたエンパワメントが起こります。辛い体験があったからこそ、その方は誰よりも周囲のお母さん方の安産を願って日々語っているのだと肌で感じられます。

実は、私の子を取り上げて下さった助産師さんも、そうでした。15年前、一人目を身籠っていた私は、彼女から自らの死産による過去の壮絶な苦しみを聴き、一体どれほど妊婦として‘今この瞬間’を大事に生きることについて多くのことを学ばせて頂いたことでしょう。偶然にも二人目のお産を介助して下さった助産師さんにも死産の経験がおありでした。お二人とも素晴らしい先輩ママとして、惜しげもなくたくさんのことを授けて下さったのです。今の自分があるのは、天に召された彼女たちの赤ちゃんの導きだと思います。

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<2017に完成した「セーヌ・ミュージカル」と呼ばれるセガン島のコンサートホール周辺を息子と散策。設計は日本人建築家坂茂氏ですが、こちらも不思議な、でもどこか懐かしい形状>

細かい心配は日々尽きませんが、未来について不安でいっぱいだということは、今をそれだけ真剣に生きなさいというメッセージだと私はいつも思います。変えることのできない過去の一点や現状を憂えるよりも、本当の自分は、そこを乗り越えて、より心地よい自分になっていたいはず。だからこそ、特に妊婦さんは余計なところにあまりフォーカスし過ぎず、今この瞬間、喜びに満ちた自分になる!という一点から視点をずらさないでいて欲しいなぁと思います。

最後に、ちょっと変な書き方しますね。女性たちとシェアリングしていると、おしっこの話とか、うんちの話とか、それはもうなんでも出てくるんです。心身の緊張をほどいて、ゲラゲラ笑いながら、ぽろぽろ泣きながらお母さんたちが体験談をシェアし合っている時、私には地球レベルで‘お産’が笑っているなぁと感じるんです。‘お産’が完全に擬人化されているんです私の中では(笑)。ガイアとか、パチャママとか、マリアとか、観音とか、アルテミスとか、いろいろなイメージが次から次へと湧いてきますが、とにかく、‘個’を超越した大きな何かが、私たちを包み込み、その中で安全に他者と、そして、自分自身とコミュニケーションさせてくれているように感じます。

すみません、話が飛躍し過ぎました。ともかく、妊婦さん、特に初産の方にとって、実際に会って先輩ママさんの話を聞いたり、お産に向けての不安を聞いてもらえるピアな会に参加することは大切だと何度でも伝えたいです。

日本でも、お近くに助産師さんやドゥーラの導くグループがないか調べてみてはいかがでしょう。東京・横浜近辺であれば、Umiのいえ(http://www.uminoie.org/)をおすすめします。2018年7月30日(月)の夕方からUmiのいえで開催される「お産道場」で‘人として大切にされるお産とは’をテーマに私もゲストトークさせて頂くのですが、そのような時空間で、あたたかいお産のイメージを全身にプリンティングし合ってほしいなぁと思います。

イベントの詳細はこちらです。是非ぜひご参加ください。

【お産道場 お産の寄り添い「人として大切にされるお産とは」を考える】

日時2018730(月曜日) 19:0021:00 18:30開場 終了後22時までフリータイム 

会場 NPO法人Umiのいえ  http://www.uminoie.org/
参加費 3500+税  (お夜食におむすびをご用意しております。)
ゲスト 木村章鼓
お申し込みはこちら: https://coubic.com/uminoie/150119

 世界に広がるドゥーラの輪〜ドゥーラからの国際便〜 

日時 : 2018 712 (木曜日)
9:00
より受付開始 終了12:00
場所都内
会費 : 4000
お茶&お菓子付き 先着 30

託児はありませんが、お子様連れ大歓迎です!

申し込み方法:
こちらまでメールをお願いします。
doulashipjapan(@)
gmail.com
(@)
@に変えて送ってください。お申し込みをしてくださった方に詳しい場所、スケジュール、お支払い方法など送ります。ドゥーラシップジャパンhp

https://www.facebook.com/events/2144434235785374/permalink/2144439339118197/

<7月12日(木)スケジュール>
9:00 開場
9:15 挨拶
9:20 木村章鼓 講演
10:00宇津澤紀子 講演
10:30 休憩
10:40 パネルディスカッション
11:40 挨拶
12:00 終了

~木村章鼓よりみなさまへメッセージ~
私自身の辿ってきたドゥーラジャーニーをお話します。女性が母親に移り変わっていく姿を見守るドゥーラ。それぞれのフェーズ移行がスムーズにいくよう継ぎ目を大事に寄り添うためのリチュアルもお伝えします

~宇津澤紀子よりみなさまへメッセージ~
狭いながらも私が知り合ったアメリカのドゥーラや助産師たちのこと、在米日本人の産後事情、などをお話ししながらマッサージやストレッチなど妊娠中から産後まで私が使っている手技をシェアしたいと思います

~質問大募集!~
木村と宇津澤に質問があれば事前にドゥーラシップのメールまでお寄せください。できる限り会場でお答えできるようにします。

 慶應義塾大学 公開講座 <患者学> ゲスト講演 木村章鼓 

日時 : 2018 87 (火曜日)
場所慶應義塾大学 信濃町キャンパス考養舎
参加費 無料
申し込み不要

いつもまとまりのない拙いブログを最後までお読み下さり本当にどうも有難うございます。ますますしあわせなお産がこの世に増えていきますように。

木村章鼓

ミシェル・オダン氏との再会とエフラスペース

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すっかり春めいてきましたね、お元気ですか。私は年明けから3月まで、日々吸収することばかりで、それらをまとめてアウトプットする余裕のない生活のままノンストップでドゥーラをしていました~。ハタと気づいたらもうお雛様の季節なんですね。忙しかったのは、2月末締め切りの原稿を抱えていたことも大きかったです。その原稿は東京医学社の「周産期医学」(http://www.tokyo-igakusha.co.jp/f/b/index/zc01/6/oa_table/b_z_top.html)という医学専門誌の「なぜ今メンタルヘルスなのか?」で特集となり2017年の5月号(第47巻5月号)に掲載されます。すみません発売もされていないのに宣伝してしまいましたっ。

さて、昨晩は、現在ロンドンで受講しているフランス人産科医ミシェル・オダン氏の連続12週間の講座でした。昨日は、Pre-labour caesareans and stress deprivationという題目ということで、自然な陣痛が始まらないうちに行う帝王切開によるリスクとストレスについて学んできました。特に、通常であれば赤ちゃんの血中に認められるメラトニン(ダークネスホルモン、暗闇のホルモンと呼ばれることもあるとか)について。自然な陣痛の始まらないうちに行う帝王切開によって生まれた赤ちゃんの血中にはメラトニンが皆無か、ほとんど検出できないことについて解説していたのが印象に残ります。

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メラトニン(melatonin)とは、動物、植物、微生物それぞれの生物学的な機能における体内時計(サーカディアン・リズム)として働くホルモン。さらには、強力な抗酸化物質として、私たちのDNAやミトコンドリアを保護しています。ミシェル・オダン氏は、このメラトニンのプロテクションという特性を挙げ、核DNAが守られていない状況で赤ちゃんのからだ、特に‘脳’に対してどのような影響があるかについて、お産に関わるすべての人がもっと関心を払う必要があると語りました。北欧での最近の研究データからご自身の1983年に発表されたランセット(The Lancet:医学誌)のデータまで、いろいろなEBM(科学的根拠)も引き合いに出しながら、陣痛促進剤使用のリスクと、帝王切開を行うタイミングの重要性について最後まで繰り返し強調されていました。

昨晩のオダン氏のレクチャーをひと言でまとめるなら、いかなる促進剤も使わないで、自然に陣痛が始まるのを‘待つ’ということが、ヒトにとって、とてつもなく重大だということに尽きます。若手助産師さんたちばかりではなく、私と同じくらいの世代(40代)の助産師さんたちまで一生懸命にノートにオダン氏の貴重な言葉を書きつけている姿に私は、未来への希望を感じました。

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レクチャー後の懇親の場でオダンご夫妻とお話をする機会に恵まれました。親日派で知られるオダン氏に、「ロンドンにもたくさんの日本人助産師さんが働いていらっしゃり、ドゥーラやヒプノセラピストや様々な代替医療に関わる仲間たちも一緒に月一で集まっているんですよ」と伝えたところ喜んでいらっしゃいました。また、日本で本格的に立ち上がっているドゥーラの活動母体、ドゥーラシップ ジャパン(doula ship Japan) https://japandoulaassociation.wordpress.com/ に向けてもこのような熱いメッセージを頂きました。

「発足おめでとう。日本にも必要なケアだと思います。お産はシャイホルモン、恥ずかしがり屋なホルモンの分泌を促すことが最も大事だということを大切にして、そこの部分を助ける(産む当人のプライバシーがしっかりと尊重されている時空間の創出に寄与する)役割を果たしていってください」

あたたかい氏の言葉に感動しました。。。いつお目にかかっても圧倒的な母子へのパッションと包容力があり、講演後のひとりひとりへのハグにもキスにもあたたかい氏の愛を感じます。私も今ちょっと、しばらくお風呂に入りたくない気分です(笑)。余談ですが、日本に対してずっと気になっていることがあるのだそうです。およそ1年半前、2015年の8月、順天堂大学医療看護学部母性看護・助産学のウィメンズヘルス看護学、プライマルヘルス研究会主催の第3回プライマルヘルス学会来日の直前にオダン氏は自宅で転倒されてしまい脳震とうを起こし、五反田で開かれた学会にお越しになれなかったことがありました。受け入れ側の皆さんにラストミニッツでご迷惑をかけてしまった、そのことをずっと申し訳なく思っている。。。とおっしゃっていました。

余談になりますが、実は私もその時のプライマルヘルス学会は、オダン氏は急に来日がかなわなくなったものの出席していました。東京での時間は私にとってほんのわずかな一時帰国中の時間です。氏の講演会ならスコットランド時代に看護大学などでも聞いたことがあったので、絶対に東京でオダン氏のレクチャーを聴かなくては!という訳ではなかったのですが、この時はオダン氏の講演だけでなく、ドゥーラ研究者の岸利江子さんが日本に紹介したドキュメンタリー映画「Microbirth」の上映もプログラムに入っていました。字幕スーパーを少しお手伝いさせて頂いた私としては、日本の医療者の方々、お産関係者の方々がどのようにこの映画を観て下さるのかとても興味があり参加したのです。大田康江氏によるとても興味深いパワーポイントも用意されており、映画、マイクロバースのほうも皆様真剣に観て下さり、ああやってたまたま一時帰国と重なり出席させて頂けて本当に良かった!と思っています。

昨晩、オダン氏には、ぜひお元気なうちにまた日本へ来て頂きたいですっ!と最後にお伝えしておきました。お元気そうですが今は80代後半ということで講演されることも少なくなってきたと聞きます。もしイギリス在住の方がいらしたら、4月11日までの毎週火曜日の7時からですのでいかがでしょうか。オダン氏の連続講座の詳細は会場となっているエフラスペースのサイトでご覧になって下さい。参加者全体のおよそ半数が助産師さん、残りはドゥーラや妊婦さんやバースアクティビストたちという感じです。
http://www.effraspace.co.uk/

ちなみに、2017年4月18日はThe highways to transcendence という題目でお話されますので、個人的に特にこの回は聞き逃したくないと思っております。「宇宙的、時間的な超越への高速道路(近道)」とでも言ったらよいのでしょうか。すでにオダン氏の講演は何回か聴いており、氏の本はほぼ読破しているので、何を語られるのか今から容易に想像はつくのですが、‘超越’について、ライブで伺えるのはとても貴重な体験です。今の時代、肉声で、生身の存在から受けとるダイレクトな何かって、言葉や数値では表せなくても十分に価値のある、本当に得がたいものになりましたから。

しかもこのエフラスペース、手作り感あふれるステキな空間なのです。ゆったりくつろげるソファーがあってカウンターバーがあって、ハーブティーやワインも飲める。でも一番のスペシャル感は、何といってもセレクトされたお産関係の本が買えるという点です。近所にプリンター・アンド・マーティンという名前(http://www.pinterandmartin.com/)の出版社があって、素晴らしい出産関係の本をせっせと出版しているのですが、エフラスペースはその出版社の展示スペースのようなものです。ほんとうに、‘せっせ’と思わず表現したくなるようなクラフトメーキングな書籍ばかりを出しているインディペンデント系の出版社です。

例えば、薄い冊子の「Why ◯◯is matter?」シリーズ。なぜお産には◯が必要なの?と、○の部分には、それぞれの刊の内容に応じて、‘doula’とか‘midwife’とか‘spirituality’といった言葉が入ります。どの刊もさらっと読めて、分かりやすくお産におけるそれぞれの○の重要性を理解できる構成となっています。他にも、シーラ・キッツィンガーの伝記(http://www.pinterandmartin.com/a-passion-for-birth.html)などは厚さ7-8センチのハードカバーで、こちらはかなり読みでがあります。私も15年近く前にこのシーラ・キッツィンガ―(http://www.web-reborn.com/interview/kitzinger.html)というイギリス人社会人類学者について知り、頭をガーンと殴られたような衝撃がありましたが、彼女が亡くなられた今、この本の価値はとても大きいと思います。

エフラスペースでは、常時様々なマタニティー関係の講座や、ヨーガ、産後ママの子育てグループのほか、看護学、助産学の教授による学術発表レベルの講演なども単発で行っていますし、選び抜かれた良質な書籍も手に入るのですから、ロンドンでこれから妊娠するかもしれない、産むかもしれないという方は要チェックスポットです。住宅地の真ん中に建つ、一見ひなびた地区公民館のような風情ですが、ビクトリア線のBrixton駅から私の足で7-8分です(グーグルには徒歩12分と表示されているけど)。バス37番なら徒歩1分に停留所があるので意外とアクセスはいいと思います。イメージとしては横浜のUmiのいえ(http://www.uminoie.org/p/umi.html)と似ているかもしれません。ロンドンのエフラスペースに、横浜のUmiのいえ、どちらも貴重な子産み子育てのリソースセンターですので、こういう空間が世界中にもっとたくさん増えていくようにとの願いを込めて紹介させて頂きました。