統合療法の訳書がこのたび出版されました♪

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ぜひ読んで頂きたい本が先月出版されました。

「こんなにいい本が日本語で読めたらいいのにね…」というウィリングヘム広美さん(心理セラピスト)が中心となって、彼女とふたりで1年以上かけて子育てと仕事の合間に少しずつ訳してきたものです。表向きは心理セラピスト向けの専門書なのですが、一般の方にも読んで頂ける分かりやすい内容になっていると思います。ようやく生まれてきた~という感じで、私にはとっても可愛い赤ちゃんのような本です。

新刊書籍:
「自己変容をもたらすホールネスの実践―マインドフルネスと思いやりに満ちた統合療法」 星和書店
ご興味のある方はこちらをご覧いただければ幸いです。

この本はハコミセラピーのアプローチを基本としています。

「ハコミ」という言葉をお聞きになったことはありますか。一瞬、日本語のように感じられるのですが、実はアメリカの先住民族のひとつ、ホピ族の言葉で、「日常の様々な側面に対して、あなたはいかに参画しているか?(How do you stand in relation to these many realms?) 簡単に言い換えるならば、「あなたは何者か?」という意味を持っているそうです。

ハコミセラピーとは?:日本ハコミ・エデュケーション・ネットワーク 

まだヒューストンに居た時、Gregory Gaiser先生によるハコミセラピーのワークショップを受けたことがあります。ドゥーラとして参加し、彼のワークショップで学んだことは、日々の仕事にとても役立っています。この世のありとあらゆるすべてのものがあらかじめ繋がっているのを前提として、目の前のお相手のあるがままを信頼して受け止める。自分自身を、相手の一部として、また目の前で展開していることの環境として、己を全体の一部として含めてしまうことで、少しずつですが、すべてが必要な在り方で瞬時瞬時に機能していると分かっていきます。 起こるプロセスをあるがままに見守るためにはじっと耳を澄まさなくてはなりません。そこにおいて、相手との一体感と同時に、拡張していくような意識の広がりを常に感じるようになっていきました。

アメリカ人開業助産師さんと共に立ち会ったある方のお産では、夜半、空を覆っていた雲が晴れて、浴室の天窓からちょうど月が見えはじめました。「月も見てるよ」と私が言うと、頑張っていた産婦さんは間歇期に月を仰ごうとしました。顎をあげるためにバスタブから身を起こす彼女。顎をあげると産婦さんの気道が伸び、しっかり呼吸ができるようになります。しばらくして元気に赤ちゃんが生まれてきました。「後から振り返ってみても、その過程が何か仕組まれたように、精妙な宇宙の理に沿って起こっていたとしか思えません」、彼女は自らのお産体験を振り返ってそう語ってくれました。

「起こるすべてのことは何かの糸で繋がっている」という認識が、産婦さんにもケアギバーの中にも備わっていると、今までは見過ごしていた何でもないことがすべてリソースに思えてくるから不思議です。その場に居合わせた誰かが「あ、月」と気づく。産婦さんがからだを起こしたら、停滞していた何かが抜けたように楽になり、深呼吸とともにもうひと踏ん張りするエネルギーが湧いてきた。そんなひとつひとつの出来事を科学的に検証しようとしたら意味をなさない些細な事象の絶え間ない連なりが、お産においては大事だとつくづく思います。喜怒哀楽の混じりあったおびただしい数の体験が積み重なったひとりの人生における、あるひとつの体験の完了として、「安産」という言葉があり、それはまた産後の時間と継ぎ目なくつながっているのだ、という視点が生まれます。

例えばその延長で、感知の方法や視点が微妙にずれることで、医学的には難産と呼ばれるようなお産であっても、本人にとっては「安産」と呼びたくなるものに変化していくものもあるんです。または、それまで不幸に思えていたことが、人生の問題を解く突破口を見つけるための強力な手がかりとして働くことだってあります。

理詰めの頭で考えると分からないことばかりで不可思議なことですが、簡単に言ってしまうと、今の自分の持てるリソースをもうあと数割、いや何倍にも花開かせる力が私たちひとりひとりに備わっていると信じられるようになっていくのです。

上司と部下、教師と生徒の関係、親と子の間でも、この視点はとても大事だと思います。この本を通して、

根本的な人との接し方、そして自分自身の受け止め方を学んでいくことができるかと思います。

何気ない日常生活を大空を舞う鳥のように新しい視座で俯瞰することで、毎日が癒しと光により満ちたものとなっていきますように。そしてこの本が一人でも多くの方の手に届くことを祈りつつ2014年最後のブログとさせて下さい。米国から英国へ引越し、多くの方々にお世話になった年でした。皆様有難うございました。引き続き2015年もどうぞ宜しくお願いいたします。

お産、政治、女性たちの声

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*世界の聖地のひとつとも言われるグラストンベリーに古くから伝わる聖なる泉、チャリスウェルを訪れました。見事な庭園で一日のんびりするもよし、フラワーエッセンスのワークショップに参加したり、本屋でお気に入りの本を探すもよし。私たちのお気に入りのスポットとなりました。

英国からの独立を問う住民投票。
結果は賛成45%、反対55%で、スコットランド独立は否決されました。

現在はロンドンに、そして以前はスコットランドに4年間ほど住んでいた者としては、正直、ちょっぴり残念な気持ちもあります。

もちろん、これまでのようにUK内に留まれば利点も多いでしょうし、国際社会に(大国UKとして)与える影響力も大きいとは思います。

現実的に考えてみても、通貨や今後の医療システムについてなど白紙の部分が多く、先行き不透明な独立案でしたから、まわりからみたら夢物語にしか見えなかったかもしれません。

今回の選挙戦を当初は静観しようとしていた(先のメルマガにも書いた通り、どちらでもいいのでは?むしろ独立などしないほうがよいのでは?と冷静だった)私が揺さぶられたのには、大きな理由があります。

スコットランドの助産師、ドゥーラ、母親の一部が立ち上がり、独立を求めて動いたことです。

「子産み子育ては文化そのものの!」彼女たちはくりかえしました。今のNHS(日本の国民健康保健のようなもの)のあり方のままでは、女性が自分の持てる力を使いきることのできるお産は存在しえないと彼女たちは絶望視しているのです。

しばらく前に法が書き換えられ、現在、開業助産師は高額な医療保険に加入していなければお産をとれないという危機的な状況に追い込まれているイギリス。

長年地元で開業してきた方々が今、ことごとく廃業に追い込まれたり、NHSコミュニティーミッドワイフチームに組み込まれてきています。

30年も地元で根を張って頑張ってきた開業の方々が、今、医療システムの激変に伴い悲鳴をあげるのを見るのは辛いです。

「20年、自分なりの理想を求めて助産師をやってきたのに、まさか今更こんなことをさせられるとは。。。」とこぼしたり、「なんとか今年はもちそうだけど、来年は私も病院勤務かな」と暗澹たる未来を憂える方もいます。

そういう背景があっての今回の選挙。スコットランド独立をめぐる問いは、彼女たちにとって、いえ、産む性である女の人にとって、とてもコアな部分を直撃するような問いかけだったのです。

*余談ですが、億万長者のアッシュクロフト卿は、頻繁に世論調査http://lordashcroftpolls.com/2014/09/scotland-voted/を行っており、今回の選挙結果についても、年代別投票結果を公表しています。サイトの管理人である菊川智文さんのお作りになった世論調査の結果を参考にさせて頂くと、 2千人余のうち、25-34歳の年代層の女性の独立賛成率は他の世代、性別と比較して、59パーセントと最も高く、ほぼ6割になっていますhttp://kikugawa.co.uk/ リプロダクティブな活動に関心があると思われる25-34歳の女性たちが最も多く独立を希望している。。。やっぱりなぁ、と思わずにいられません。

‘自分たちは何者なのか?’

‘一体どうして今のような枠組みに仕切られるようにならざるを得なかったのか?’

投票日数週間前から、私のもとにもそのような問いかけが個人メールやソーシャルメディアを通して届くようになりました。‘産み方に自由が認められるように、私たちは政治に関しても自主性、主導権をもつべきだ!’という女性たちの悲鳴のような声が連日、それこそ24時間ノンストップで飛び交ったのです。

‘自分たちの住む場所に関する政治は自分たちの手の届く範囲内でなされるべき。さもなければ自分たちのお産は取り戻せない!’、

‘自律性とは結局なんなのだろうか?’、

‘巨大な母船にあらかじめ乗せられていて、操作されたお産しか選べない中で、どうやってスコットランド人を育てていけるのか?’

そんな声の数々が耳元をかすめていくうちに、私は学生の頃に訪れたアリゾナとニューメキシコに点在する居留区にまるで‘幽閉’されたように住まわせられていると表現するに等しいズーニー族やナヴァホ族といったネイティブアメリカンの人々のことを思い出しました。

広大な国土のごくごく一部をリザベーションと名付け、おそまつなフェンスで囲い、そこに彼らを留め、実質的には居留区以外の土地では通用しにくい‘アメリカ人’を育てる。そこにはアルコールとドラッグが蔓延し、一方で、埋蔵されている希少な地下資源だけはことごとく母船であるアメリカ経済に吸い取られ、さらには採掘にともなう深刻な大気汚染や水質汚染といった環境汚染まで居留区内の人々が引き受けさせられている現実に似たものをスコットランド独立問題の背景にもうっすらと感じました。

次第に、スコットランドの女性たちが、マイノリティーとして不屈の精神で脚を踏ん張っているように私には感じられていったのです。だからこそ、今回の選挙結果にはなんとなく苦いような気持ちが今も私の中に残っています。

それでも、光を感じるようなこともあります。先日、遊びにきてくれたイギリス人ドゥーラの先輩であり、エジンバラに長年住む二コラさんがこんなことを言っていたのです。

「グラスゴーでは独立反対派が街に火を放ったりして恐ろしい光景が広がって、反対派と賛成派の間に大きな溝ができた。でも反面、‘みんなが政治に戻ってきた!’という実感があるの。だって、あんな投票日、私見たことなかった。身障者の人々は車椅子を押されて投票していたし、投票権を得たばかりのような若者も、赤ちゃんを抱いた母親も、おばあさんも杖をついて、みんな、ほんとうにエジンバラ中の人々がぜーんぶ集まったんじゃないかって思えるくらいに投票会場は人で埋め尽くされていたわ。

あぁ、あんなのは人生にそう何回も見られる光景じゃない。自分は今、歴史の一部になっているって感覚があった。みんなもきっとそうだったと思うんだ。そういう意味では、どっちに転んだとしても、人々が政治と‘リコネクション’できたのはよかったと思う。私はYes派だったから結果は残念だけど、次の世代が独立に向けて動いていってくれるはずだし、そのステップのひとつになれたんだから、爪痕を残せただけでも喜ばなきゃね」と。

私は彼女の目線やしぐさも含めて、慎重にえらびとった彼女の物言いから、独立への彼女の深い想いを感じました。

それでもなお、現実の中に光を見ようとする彼女のこころの動きに触れた時、なにかがほどけるような、ジーンと湧き上がってくるものがありました。

「起こることはすべて、きっと必要があって起きている。だから、無駄にはせずにそこから学びたい」

そんなニコラさんのような心の姿勢こそ、きっと新しい命を照らすことでしょう。ロウソクの芯のように、外側の姿は移り変わっても、ずっとどこか奥深い部分に存在し続けて、国の枠を越えて引き継がれていくに違いないと感じたのでした。

食のトレイサビリティー

美味しいもの、安全なもの、ますます貴重なものになってきています
美味しいもの、安全なもの、ますます貴重なものになってきています

日本では、環境省が2013年に7万人を対象に行った“エコチル調査”で、妊娠が分かったときに喫煙していた女性は全体の18%、妊娠判明後に13%は禁煙したが、残り5%は妊娠中期になっても吸い続けていたことが明らかになりました。

この結果からも分かる通り、一般的には、妊娠が分かった時点で、慌てて食生活やライフスタイルを見直すケースがほとんどのようです。

“食”は、命を創る大切な源。だから、日々の選択がとても重要。

そう頭では分かっていても、タバコや汚染された海産物ばかりではなく、遺伝子組み換え食品(GMO)など、食にまつわることで気をつけたいことが現代にはどうやら本当にたくさんあるようです。

アメリカの政府機関FDA(Food and Drug Administratio)は、現在までのところ、GMOの安全性を認めています。ですが、9割ものアメリカ人は、遺伝子組み換え食品の明確な表示を支持しています。

なぜなら、その長期的な影響が未解明にも関わらず、モンサントなどの巨大企業に独占された供給システムによって流通している大豆、テンサイ(シュガービート)、飼料用トウモロコシを含む約90%もの商品作物が、すでに遺伝子操作されているからです。

多様なオーガニック商品を揃えていることで定評があり、アメリカ全土やイギリスなどでも広く展開している大手食料品スーパーマーケットのWhole Foods Marketは、北米とカナダの店舗で販売する全てのGMOを含む商品を18年までに正式に表示すると発表しました。これは、先のまったく見えない暗闇で、光を感じる画期的な動きです。

ですが、GMO対策への抜本的な解決策は、今のところ、消費者の意識改革以外にはありません。

実はこんな文章を書いている私自身も、11年前、妊娠が分かったとたんに、週末に夫婦で飲んでいたワインを控え、ウォーキングと休息をたっぷりとり入れる生活スタイルに切り替えました。授乳後、ワインを再び飲むようになっても、できるだけ無農薬ワインを選びたいと思うようになりました。

それまでは必要とあれば服用することもあった市販の風邪薬も、ひとたび食を意識しはじめると、不思議と飲みたくなくなって、風邪のひきはじめや喉の痛みなどには、薬草やレンコンといった昔ながらの食材、ハチミツなどを今まで以上に取り入れるようになっていきました。

しかし、ハチミツを買う時にさえも、偽装表示に注意が必要だというニュースを先日目にしました。

アメリカ各地のスーパーマーケットやドラッグストアで販売されているハチミツを調査したところ、ほとんどすべての商品で花粉が完全に取り除かれていたとのこと。欧州では、ハチミツの産地を特定するために花粉を残存させることが義務となっていますが、アメリカでは規制がないのです。

FDAはウェブ上で輸入ハチミツへの注意勧告も行っていますが、我が家の食卓に並ぶものも、大気汚染やボツリヌス菌などの汚染リスクのあるハチミツかもしれません。栄養価がとても高く、免疫力アップを期待できる身近な食品であるからこそ、そんな、産地、採取方法、加工方法をめぐって不安感を持たなければならないことをハチミツが大好きな一消費者として残念に思います。

ハチミツに限らず、アメリカに限らず、今、世界中どこにあっても、何の食材であっても、トレイサビリティーを意識しなければならない時代であることを痛感しています(参照:National Geographic News)。

そんな中、自分がどのように新しい命を迎えていきたいのか。
どんなことを自分は気をつけて命を育んでいきたいのか。

そんな妊娠・出産に向けての自分なりの指針を、できるだけ早い時点で持てると、
それはとても強力なリソースになってくれると私は信じています。

食べ物選びは、ほんのひとつのきっかけ。
日々、こころとからだのアンテナを張り巡らせて、世界の大状況から学び、取捨選択をし、
『私なりの精一杯のお産』を見つけていってもらえたらと思います。