はせくらみゆき さんとの対談掲載 

「岩戸開き」ナチュラルスピリット社 に対談が掲載されました!

初対談として、『本来の男女が蘇るとき、この世界は調和する』をテーマにお話ができました♪

とても素敵な女性で、対談できて大変光栄でした。

同号にて、山川ご夫妻の掲載もあり、表紙にお名前が並んでいて、びっくり!嬉しいおまけです。

気にしてくださった方、ぜひ「ナチュラルスピリット社」のHPでご確認ください。

『岩戸開き』第14号がついに発売!

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いつもあたたかいメッセージをありがとう
ございます。

これからも皆さまといろんな情報を共有できたらと思います。

#岩戸開き

#ナチュラルスピリット社

#木村章鼓

#LOVEドゥーラAkiko

施設分娩について 

病院で赤ちゃんを産んだ女性(医療者)
で、助産院でのお産やホームバースを
長年応援している私の活動に対し
「?」をお持ちの方へ向けてお返事
を書いたので一部をシェアしますね♪

『病院のお産だけで足りているのではなかろうか?』


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あたたかいメッセージをありがとう
ございます。とても心温まる病院出産を
体験されたことが本当に嬉しくて、
だからこそ今のAさんが優しく、
人に尽くされるお方であることを
つくづく想いました。

Aさんは素晴らしい医療スタッフに囲まれて、ご自身を素直に明け渡すことができて、
たくさんの方々に見守られて、
しあわせに満ちたライフイベントに
していけました。本当に素晴らしいですね。

わたしも、すべての女性がAさんと
同じような体験をされますように。。。
と思います。


立場上、産後うつの女性のお話を
聞く機会が多いので、残念ながら、
施設によってずいぶんと出産体験の
質が違うなぁと感じている次第です。

自殺未遂を繰り返される方、お子さん
をあやめようとしてしまったお母さん、
産んだけれど自分には育てられないと
育児放棄の状態となっている方、、、。

そんな様々なお話を聞くにつけ「継続ケア」
はとても大切だと思うのです。



なぜなら、妊娠中からずっと同じ方々
が見守っていたら、そこまでの事態に
陥るリスクはおさえられる筈だからです。

だからこそ、Aさんの体験された
ような、毎回顔なじみのスタッフさん
に出会えて、楽しく妊娠経過でした!
というお話は私も今後もっともっと
聞きたいです♪

しつこいようですが、これまで日本や
各国で聞いてきた話は、葛藤に満ちた
しんどいものが圧倒的に多かったので。。。

ありがたいことに日本では、助産師さん
も産科医師も、看護師さんも、みなさん
とても親身に産婦さんに寄り添って下さる
医療者ばかりで、各国と比較したら日本で
産む方は大変恵まれています。

そんな中、日本のお産に欠けている
ものがもしあるとしたら、それは、
私たち、産み手の意識だと思います。

Aさんのように、ご自身を、その場
その場で素直に自己表現できていれば、
手厚い寄り添いケアが受けられる国
なのですから。。。

でも、みんながAさんのような人では
ありませんよね。。。そうでなければ、
こんなにもたくさんの

「病院で一人ぼっちにされた」

といった声を筆頭とするたくさんの声が
私の耳に入ってくるわけがありません。

医療者の方々も心の葛藤
を深く抱えていらして、その本音をたくさん
たくさん私は日常的にお聞きしています。

「もっと親身に寄り添いたいのに
他の仕事で忙しくて継続ケアできない」

「お一人のケアに集中できない環境」

周産期の医療者の方々は、特に規模の
大きな施設にお勤めの方々は、そんな
ジレンマを日々感じていらっしゃるの
ですね。

なぜだと思われますか?それは、今の
産科医療がかなり変化しているのです。

よく、欧米で20年前に起きたことが、
20年後に日本に起きると言われますので、
これは、「他山の石」ではなく、ご自分の国の
こととして読んで頂けたら嬉しいのですが、

この半世紀、欧米で発展したのが
出産の医療人類学、なんですよね。
特に中でも医療者の方々が、この
医療人類学という学問を通して、
近代医療の在り方に疑問をもって、
よりよい医療の方向を見定めようと
取り組まれています。

私がエジンバラ大学の大学院で
医療人類学を学んだ時も、教授は
MD(GP)の方々でしたので、
彼らの現場での葛藤は授業の中で
日常的に見聞していました。

私は、医療を恩恵としてありがたく
享受している身として、正直、医療の
在り方について、モノを言える立場
ではありません。

ただ、事実として、これからの医療の
在り方について、世界的な見直しが
課題となっていることを広く知って
おいて頂きたいだけなのです。

ロンドン在住の勤務助産師さんのシェア
してくださった故Sheila Kitzinger博士の
胸にしみる言葉を今一度読んでみましょう。
この本は私も卒論を書きながら参考に
した本なので懐かしいのですが、いつ
読んでも色褪せることはありません。

In any society, the way a woman gives birth and the kind of care given to her and the baby points as sharply as an arrowhead to the key values of the culture.

by Sheila Kitzinger (1978). “Women as mothers”

野生の本能の立ち上がるお産の場
にあって、もっとワガママ、「我れがまま」
に私たちが振る舞えたら。。。きっと
怖かった、辛かったという体験を語る
女性はもっと減っていく、というのが
私の学んできた先生方の考え方です。

ちなみにイギリスでは、病院のような
施設においては、one-to-oneの継続ケア
の提供し難いことが、このリンク
(継続ケアを切に求めるUKの女性
たちのリアルな声)から学べます。

今、日本の産科医療も、
「担い手不足」と「相次ぐ産科の閉鎖」、
そして「お産集約化」によって医療崩壊
が起きていることはすでにご存知かと
思います。

Aさんや私の産んだ時代とは少しずつ
変化し、よりお産の欧米化が進んでいます。

そこでひとつ参考になるのが、イギリス
NICEと呼ばれるガイドライン(2017)の
1−1−2という項です。

64000人の健康な女性を対象にした
birthplace 2011 (Blix et al. 2012) の研究を
ベースにつくられた2017年に最新アップ
デートされているNICEガイドライン
(Intrapartum care for healthy women
and babies Clinical guideline 【CG190】)
の1.1のplace of birth の2項です。

その項では、要約すると、すべての医療者は、
たとえ初産の女性であっても、二人目以降の方
であっても、母子共に経過が良好な女性にとっては、

自宅か、助産院か、院内助産院で産むことのほうが母子にとって利点があります

と必ず伝えるように、と明記されています。

「医学モデル(obstetric model)」で産むことが、「介入の滝」を引き起こし、緊急帝王切開や吸引鉗子分娩に陥る確率を何倍にも高める事実がEMBでとれているからです。出産時の大量出血で輸血が必要になる率も病院で
始まったお産では、3倍となります。

こういった情報は少し調べれば直ぐに出てきますし、理解もできることですが、何を私が感じているかというと、やはり個人的な体験を超えて、先の未来を見据えながら、今私たちに必要なのは生理の範疇で産む知識🟰助産師と産む出産についての理解と、それを実践して下さる本物の助産師さんの手だと思います。私はバースドゥーラとして、そこをサポートしています。

#LOVEドゥーラAkiko 木村章鼓



バースセンター見学を通して考えた助産師さんのストライキ

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今回はロンドン南エリアの大学病院West Middlesex (website WestMidmaternity.org.uk) 病院内の産科、Queen Mary Maternity Unitとそのケアについて紹介します。長年地元でベテラン助産師として病院出産、バースセンター出産、自宅出産に深く関わってきたPo-Ying Li先生にお話を伺いました。現在、NHS(UKの国民保健サービス)では、テムズ河エリアに点在している産科病棟9つのうち4つを閉鎖して5カ所に減らす動きがあるそうです。

幸いなことにWest Middlesex病院の産科は今後も存続し続けますが、周辺から妊婦さんが産み場を求めて駆け込んでくることが予想されるため、今後は年間500件のお産の増加を見越して、助産師の数も増やす方向です。現状では、大学病院勤務、バースセンター勤務、コミュニティー勤務(地域の各家庭へ訪問)の数をすべて合わせると150―180名ほどの助産師がこの大学病院を通して妊産婦さんのケアを行っていますが、「ただでさえ低賃金で頑張っている助産師はますます忙しくなってバーンアウトしていく人も現れるのでは、、、」と懸念する声もあります。

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West Middlesex病院内のバースセンターの分娩室と助産師のPo-Ying Li先生

ましてや、このWest Middlesex病院では昨年、助産師たちによる賃上げストライキがあったばかりです。私も助産師応援団の一人として旗を振り、何回かこの時のストライキにも参加しましたが、「Enough is enough!(もう限界!)」というスローガンを掲げ、傘もささずに厳寒の朝から街頭デモをする彼女たちの濡れそぼったコート姿は忘れられません。英国助産師会(the Royal College of Midwives RCM.org.uk)が指揮をとり、助産師が一丸となって全英で数回に渡って展開したこの時の訴えは全面的に国に認められましたが、過去3年もの間、給料アップせず、インフレ率は彼女たちの給料上昇率を上回り、助産師の中にはフードバンク(食糧を配給する国の社会福祉サービス)を利用しなければならない人も一時はいたそうです。

West Middlesex病院内のバースプールの様子、産綱も天井から垂れています
West Middlesex病院内のバースプールの様子、産綱も天井から垂れています

さて、この病院の施設を見てみましょう。入ってすぐのブッキングエリア(受付)はかなり混んでいます。さまざまな人種の女性たちがソファーに座って順番のくるのを待っています。妊娠中のデイアセスメント(検尿・ウルトラサウンドなど)を行う産科・婦人科エリアと、実際のお産が行われる病棟はいくつかの扉と大きな廊下で仕切られており、一般的な日本の総合病院と同じようなつくりです。

大きな違いは、バースセンターの存在です。病院施設に併設というより、廊下の延長で続いているバースセンター内では助産師に主導権があります。侵襲的な医療介入をできるだけ減らし、母子の健康と安全を目指した助産理念のもと、当然のことながら、自然分娩率は高くなります。産後の完全母乳育児率も同様です。さらにWest Middlesex病院では、広々とした4部屋(4床とも水中出産可能)に加え、誕生死(Stillbirth:赤ちゃんをお産で失うケース)といったトラブルに遭った方のみ利用できるファミリールームが2部屋あるのです。

誕生死などトラブルに遭った家族が休む部屋の壁には額縁と並んでTVも
誕生死などトラブルに遭った家族が休む部屋の壁には額縁と並んでTVも

あたたかい雰囲気の絵や刺繍のクッションが他の部屋とは違うやわらかい空気感を漂わせています。壁のテレビは、バースセンター内で唯一、このふたつの部屋にしか無い備品ですが、苦しい時にわずかでも気が紛れれば、と備え付けられたそうです。私もドゥーラとして日ごろ感じていることですが、誕生死の方は、本当にサポートが必要です。「赤ちゃんの死というとてつもなく深い悲しみと傷を負った心身を少しでも癒してもらえれば」と語るスタッフの助産師は皆さんほんとうにあたたかい笑顔の働き者です。

病院勤務の助産師とバースセンター勤務の助産師は、同じ建物の中で住み分けているわけですが、バースセンター勤務の助産師のほうが、対応に余裕があるというか、明るい笑顔の方が多いように感じます。権限をもつということは、大きな責任を担っている。それだけ負担も大きいでしょうが、別の見方をすれば、自信をもって生き生きと仕事と向き合っているとも言えるのかな、と思うのは私だけでしょうか。

そういった助産師の中には、私が地元のドゥーラ仲間と開いているPositive Birth の会にも非番の時間帯に応援で顔を出したり、ボランティアでお手伝いをして下さる方々もいます。

ここであらためて繰り返すまでもないことですが、私は、バースセンターで日夜頑張っている助産師や自宅出産をサポートしているコミュニティー助産師を応援しています。母子の健康のために少しでも力になりたいという熱い志をもった彼らがストライキを行わなければならないなんて悲しいことです。でも、時には敢行しなければならないこともあるでしょう。そんな時にはこれからも立ち上がって彼女たちを精一杯応援したいと思っています。

以下の写真は、お世話になった病院・バースセンターのスタッフに宛ててお母さん方が退院後に送ってきたというお礼状を集めたボードです。日々これらの文章に励まされながらスタッフの皆さんは何とか頑張っているということです。皆さんもお世話になった病院や地域のクリニックにお礼やフィードバックを送ってみませんか。

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