スペインから戻って1週間

中世から使われてきた巡礼者のための橋。
澄んだ水に小魚たちがキラキラスペインから戻ってきたのは、先月末。
留守にしていたこの数週間のうちに、エジンバラはすっかり春らしくなっていた。
寒い日もまだあるけれど、水仙がいっせいにほころんで、風もいつのまにか、やわらかくなっている。
公園の芝生に腰を下ろし、ブランコで遊ぶ娘を眺めながら、これではスペインのほうが寒いくらいじゃないか、と思い出す。
スペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラへ辿り着く手前のセブレイロ峠で、すさまじい吹雪に見舞われたのは、わずか1週間前のことだ。
いつか、きっと、と願っていた旅

岩と一体化した教会が丘の上にひっそりとたたずむ。
このような無人の教会や修道院の跡がエル・カミーノ上にはたくさんあるのだ。
5、6年前に大好きな山川紘矢さん、亜希子さんの翻訳されたパオロ・コエーリョ著「星の巡礼」を読んで以来、サンチャゴ・デ・コンポステーラまで歩きたいと思っていた。
ピレネー山脈を越え、はるか中世から多くの巡礼者によって踏みしめられてきた道、‘エル・カミーノ’。
西へ西へ、ひたすらに歩き続ける祈りの旅。
いつかきっと、そのうちに、、、
そう思いながら、気づくと妊娠をして、子持ちになって、フットワークの重たくなったのを理由に先送りにしていた。
別にクリスチャンでもないし、幼児を連れて800kmを歩きぬくのは無理なことだし、第一、ふた月も休みがとれない。
車で!? それってズルじゃない?

この修道院のなかで呼吸瞑想をしていたら、鐘楼の真下だったので、突然!頭上で鐘の音が何回も鳴り響き、私はもう心臓が飛び出るほどびっくり!
瞑想中はどんな邪魔が入っても大丈夫、なんて自分を過信していたが、実際にはまったくその逆で、
小さな鐘楼ひとつで動揺してしまい、緊張のあまり身体中の血がブワッと熱くなって
しまった。
戦時中、空襲でいきなり空から攻められた市民もこんな身体感覚だったのかな。。。

ローソクは巡礼の要所に欠かせない。空港でロストした
荷物が無事に出てきますようにと願いをこめて私も一本♪
イースター(復活祭)の時期に合わせて今回‘エル・カミーノ’をドライブすることになった。
でも、車で!?
まわりが黙々と歩いているのに、それってズルじゃない?
四国のお遍路さんをチャーター飛行機で一日数ヵ所まとめて参拝するのと同類さ。
歩く、という行為にイミがあるのであって、目的地に辿り着くのは二の次なのでは?
と思ったが、
子育てから解放されて、
数ヶ月間の休暇もまとめてとれて、
すべてのタイミングが整うのをマジメに待っていたら、
私は確実におばあさんになっているってばさ。。。
おばあさんになったら、歩くのはやっぱりきついからねえ、と腰をかがめて車に乗りこんでいるのかもしれない、などと言い訳を自分にしながら夫に素直に従った。
ピレネー山脈を貫通するトンネルの中で
奇跡の泉ルルドを抜け、車はトールーズからまわり込むようにしてピレネーに入る。
山脈を貫通するトンネルに吸い込まれると、かつては山越えに何週間もかかったという道のりが、わずか1時間ほどに圧縮される。
真空状態のような、トンネル内独特の振動と空気感に、娘がスースーと寝息をたてはじめ、そんなときは珍しく夫婦の会話が弾んだりする。
普段はしない話ができる。
歯磨き粉はなぜ白いのか、
とか、
隕石の組成はどうして今だに解明されていないのか、
とか。。。
そんな意味のない、答えのいらない、せわしなさの微塵も無い夫婦の会話だ。
→次回は、いよいよ祈りの道、エル・カミーノへ
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