妊娠、授乳や出産シーンを表現したアート。ルイーズ・ブルジョワの作品展で

お気に入りの木は滑り台になったり、ハンモックになったり。エジンバラにある王立ボタニカルガーデン(植物園)は、エジンバラっ子の憩いの場。
お疲れのこころと体を、緑色パワー満タンにしてもらえるので、私たちも年間パスをゲットして週に1度はリチャージに通う。
この夏4歳半になる娘の週末の楽しみは、門の前の駐車場にたいてい留まっている屋台で、イチゴのジェラートを買ってもらうこと。
植物園が近づくと、キョロキョロとバンを探す。
恥ずかしいくらいの大声で
「あっ、来てるよおー!ジェラート買ってえー!」と叫ぶ。
ジェラートって呼ぶんだよね、アイスのことをうちの娘は。
もっと小さい頃に、娘にわからないように、ひっそり冷凍庫からアイスクリームを
出していたことがある。
気づかれないように小声でボソボソと夫に呟く。
ジェラート。。。食べる?
そんなやりとりを地獄耳の娘は聴いていたので、ジェラートと言い始めたのだ。

ほんとうに人懐っこいリス君とベンチを一緒にシェアできる王立植物園。
いつも園内に入って、まずはその日のキッズイベントをチェックする。
鳥の餌付けにエコ・バッグづくり、いつもいろいろ満載だ。
ショップ、カフェ、イベントホールにアートギャラリーもあるので、ここに来ると半日くらいはあっという間に過ぎていく。
おともだちのリス君に今日もごあいさつ。
今年96歳の世界的アーティスト
この植物園のアートギャラリーで今、こちらの出産ケア関係者の間でひそかに話題になっているのが、ルイーズ・ブルジョワの作品展だ。
彼女はフランス出身のアメリカ人彫刻家として世界的に知られている。
六本木ヒルズに出現した巨大なクモのオブジェをデザインしたおばあさん、と言ったら思い出す読者も多いのではないだろうか?
今年96歳になる彼女の今回の新作が、なぜ、お産関係者の興味をそそるのかというと、
それが。。。
どこまでも生々しく、妊娠、授乳や出産シーンを描き出しているからなのだ。
女性性の源泉を感じる、一連の作品
ルイーズの独白インタビューや、創作風景を切り取ったコラージュのようなドキュメンタリーフィルムも上映されていて、私は作品以上に、彼女その人の生き方に惹きつけられた。
ルイーズは養子を引き取った直後に子どもを授かるという人生の廻り合わせついて語っていた。
険しい表情で、それはけっして平坦な人生ではなかった、と。
ここ数年のルイーズの映像には、母として、妻として、そして娘としての自分を、かたちや主義にとらわれず、あるがままに作品に流し込む彼女がリアルに浮かび上がっていた。
そこに、今回の「NATURE STUDY」と銘打った一連の新作品を産み出す女性性の源泉を感じた。
花になった、産む女性と赤ちゃん

私が撮った下手な写真で申し訳ないが、見て頂きたい。
この、女体が艶かしく蘭となってしまう出産シーンを!
産む女性と生まれるあかちゃんとのコラボ!
生まれてくる赤ちゃんと、
産みだす女性が、
一輪の花と昇華してしまう不思議な絵に私は涙が溢れてきた。
産む存在と、生まれてくる存在のコラボ。
もうこれしかない!そう思った。
明日のお産をもんもんと考えてばかりいる私にとって、
魂の滋養となる絵たち。
産みゆく姿は、古今東西美しい!
くりかえし、くりかえし描かれる受胎の絵からは、セクシュアリティーというより、植物の交配のようなたんたんとした営みを支える生命力が感じられる。
そこに私は深い安堵感を覚えるのだ。
アートとは、場と一体となって完成していくもの
ところで、アートとは、周囲の環境に大きく影響されることを今回あらためて思った。
やはりアート作品とは。。。
観る人間も含めて、その場に在るすべてのものと一体となって、瞬時に完成しつつある進行形のものなのだ。
一見生々しい出産シーンを描いた彼女の作品から、植物的な静の気配をも受け取ることができた理由は。。。
おそらくギャラリーには私たち以外には人がおらず、
窓からは大木が見え、
さんさんと光が差し込んでいたといったファクターが揃った結果なのだろう。
お産も、まさに、そのようなものだ!と思う。
次回に続く→
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