今回のエジンバラ生活には、私の人生にとって、とても重要な何かが控えている『予感』がする。
それは、かすかに響く耳鳴りのように、この国に住むことが決まって以来、どこかでずっと感じていた懐かしい感覚。
言いようのない感謝の気持ちに満たされて夏至も越えた今、それは自分の中の天が伝えている予言という言葉にしてしまっても大丈夫なくらい、自分のなかで確かなものとなりつつある。
人生は、自分のこころの声にシンプルに従っていればいいのかもしれない。
そうやって、ココロの耳を澄まして、その内なる声だけを濾して、自分が、こころの底からほんとうにしたいと思うことだけをしていくだけで、ほんとうは、いいのだ。
私は今までヘンに片意地を張ってがんばり過ぎていたところがあったかもしれない。
自分の本当にしたいことって、なんなんだろう。
日本を発って、まだ雪のちらつくエジンバラ入りし、ホテル滞在をへて、住む家を見つけ、生活も少しずつ落ち着いてきた今、ようやくそれを探すこころの旅に出るころなのかもしれない。

どうしても行きたい場所
白夜(ホワイトナイツ)は本当に一晩中明るい。
それでも、一番暗い時間帯はAM1時半くらい。
その時間帯には月が見える。
美しい。。。
あまりにも神々しい。。。
せっかくスコットランドに住んでいるのだから、ピンと感じるものがあれば、もっと迷わずにこれからはどんどん試してみようかなと月に話す。
私の中にあらかじめ備わっている感じる力を高めるためにも、自然との一番身近な架け橋である木々や草花とたっぷりふれあいたい。
娘を先生にして、無心に遊んでいるうちに、なにか見えてくるかもしれない。
そんな自分との対話が月を愛でていると浮かんでは消えていく。
そのうちに時間をつくって、いくつかの場所に行ってみようとも思いたつ。
自分がどうしても行きたかった場所がこの国にはいくつかあるのだ。
そのひとつ、北極に限りなく近いオークニー諸島には、思い立ったが吉日とばかりにさっそくこの週末に行くことにした。
2歳の娘を連れてどこまでまわれるか分らないが、オークニー諸島の島々にある、紀元前2500年から2000年の間に建てられたと考えられているストーンサークルや、新石器時代の集落跡、墳墓などを気ままに訪れてみたい。
子連れで、最果ての島めぐり。
どうなることか。

オークニー諸島へ行く飛行機は小型で、機内で病人が出たりで、乗り継ぎも大変で、近いようで結構大変だった。
以前、イースター島やガラパゴス諸島を訪れたが、その時の感覚に似ている。
地図で見ると一見近いようで、やっかいな処。
到着してドッと疲れがでた。ホテルは海沿いで、海に面した公園には娘が遊ぶのにちょうど良い滑り台があった。
それにしても、寒い!
風が信じがたい強さだ!
イギリスの南極探検隊を率いたアーネスト・シャクルトンの映画(ナショナル ジオグラフィック)で氷壁を乗り越えて生き延びる隊員たちの実話に感動して嗚咽するほど泣いたが、あの映画で私が擬似体験したシェットランド地方の氷のような風を感じる。
あ、ちょっと大袈裟だった。
だってシェットランドはさらにもっとずっとずっと北だから。
でも超さむがりの私は、本当に風に弱いのだ。
どうやってこのオークニー諸島の人々は生きているのだろう?
「ゲド戦記」のクライマックスに出てくるような、アーシュラ・K・ル=グウィンの描きたかった最果ての地がここではないか、そう思えるような断崖絶壁。
恐ろしい海風。
漠々と広がる空。
ここまで書いておきながら、
私は、この風の中で、
血が騒ぐ。
そして、翌日訪れた先史時代の遺跡(世界遺産)、スカラブラエにて、私は幻視を体験する。
娘をスリングに入れて遺跡群を歩き回っていたら、急に視界がさあ〜っと開けて、すっかり温かい小春日和のようになって、そこに大昔の家族が住んでいる様子がありありと視えたのだ。
男たちが採れた魚を囲んで何か話している。その後、それらを村の女たちの一人(私)が受け取って、一緒にキレイな白い貝も、ある男性から受け取る。
少し歩いて穴蔵のような半地下の居住空間に戻り、子どもにそれを与えている。
満ち足りてとっても幸せな私。
それが鮮明に感じられた。
幸福感。
先史時代からの、幸せな気持ち。
私たち女が頼りにしてきた産みつなぐ喜び。
なんだか言葉にできない充足感を感じた。

なーんだ。
やっぱりそうだったか。
先史時代の女たちも幸せだったよ。
今よりずっと幸せだったかも知れない。
その女の子宮と私の子宮がダイレクトに繋がる。
古い場所に行くと、意識の磁場がプラグインされて、いきなり時間旅行に飛ぶ。
彼女は、私。
今は過去。
過去は未来。
パラレルに時々刻々と成っていくこの世界。
私は、とんでもない時間と時間の合間に来てしまった。
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