第2回 引っ越しだらけの人生

さて、いよいよ待ちに待った引越し。

2006年1月の終わりに再び夫の海外転勤が決まり取るものもとりあえずやってきたスコットランドだが、海外暮らしには慣れている。

学生時代のアメリカへの短期渡米、イタリアの身障者施設での1年間の住み込みボランティア、その後に就職したアリタリア航空でのCA生活。

ただ、初めての子連れで、動きが今回はどうしても、鈍い。

すべてが娘の体調を優先して動いていく。

そんな中でも、不動産屋との正式な契約を取り交わし、フラットの鍵を受け取るのは昼ごろの予定だ。

その数時間後にあらかじめコンテナで到着していて、地元の引越し業者の大型トラックに荷積みしたという日本からの荷物が届くということだが、雪崩のように次から次へと担ぎ込まれてくるであろうそれらの中味は、果たして無事だろうか?

ところで、The Independet というイギリス新聞に『エコ・ベビー』というタイトルで子育て最新特集が組まれていた。

『この国では相変わらずオーガニックブームが続いている』というタイトル。

というよりブームが定着して、今は少しずつそれがスタンダードになりつつあるということだが、確かにこの国の環境負荷への認識は日本のそれよりも深いように思う。

やはりチャールズ皇太子のダッチーオーガニックのブランドを打ち立てるなどの取り組みは大きな成果を上げているのだ。

来た早々に感動したことがある。

ホテル生活では布オムツも洗えないからということで、布オムツ以外に、日本から持ってきた紙オムツ。

実際、仮住まいのホテルでは全く洗うことができず、ずっと紙オムツだったのだが、それがなくなった。

そこで地元のスーパーに行ったのだが。。。

なんと!とうもろこしのセルロースからつくられたオーガニックのオムツが、パンパースなどの大手のすぐ横で堂々と肩を並べていたのだ。

値段も大手のものと比べて2割増しほどだった。

日本とはずいぶん違う!

そうそう、市が布オムツも全面推奨しているいう。

エジンバラ市がゴミ減量(UK全体で毎日約800万枚の紙オムツが焼却されているという)を目的に、布オムツ使用を全面推奨していれば、布オムツライフも復活できると思って調べたところ。。。

驚き!

市に認定されている布オムツ業者による布オムツ40ポンド(約8千円)分無料お試しキャンペーンなども実施されているというではないか。

せっかくの機会なので、引越しが済んだら、私もこのキャンペーンを利用してみよう。

あとは、例えば生ゴミを堆肥化するコンポスタは、4ポンド(800円)ほどで売られている。

日本でも容量が小さかったのですぐにいっぱいになってしまうのが難点ではあったが毎日フルに使っていたコンポスタ。

直径1mほどのシンプルなバケツ型コンポスタが手頃な値段で手に入るのは新生活には嬉しい。

エジンバラ市によるゴミ回収は週に2回だそうだが、コンポスタに活躍してもらえば余裕だ。

特に私は昔からどうしてもモノが捨てられないという性分で、とにかく何でも再利用してしまう。

例えば、パリン!とキレイに二つに割れると、見惚れてしまって、くるみの殻すら捨てられないのだ。

はい、貧乏性ですっ(笑)

小さくなって使えなくなったロウソクのくずやクレヨン(蜜蝋クレヨン?)を何年も溜めておく。

そう、貧乏性にもほどがあり、何年か越しでリサイクルを狙うのだ。

何年もかけてためたそれらをゴミ箱から拾ってきたような古い鍋で溶かして、くるみの殻にキャンドルの芯を立てて熱いロウを流し込み、可愛いキャンドルを作ったことが2回ある。

ストッキングを破いて手編みのサンダルを作ったり、掃除に利用したり。。。

一見華やかに見られる私だが、で、実際に華やかだったが(ちなみに12年前の写真。身長174センチで全身アルマーニ着ていてイタリア語ペラペラ話していたら

みんなひきますよね。。。かなりひかれていました当時)

そんな私が客室乗務員だった当時、実際にはどれほどの葛藤があったことか、

絶対に誰にも想像つかないだろう!

お客様が残した食べ物を廃棄して、トイレでも大量の紙を消費して、そもそも飛行機自体が夥しいエネルギーを使って運行している。

月に何十時間も空の上で生活していると、次第に自分が世界のどこにいるのかも分からなくなってくる。

何か、自分の中で狂ってきてしまう。

大切な何か、が。

そんな時、フライトが一緒になったベテランCAの先輩が、かつてデリー経由便が存在していた頃にマザーテレサが搭乗された時に、彼女がそのセクションを任されたという。

マザーテレサはエコノミー席にちょこんと座っていらした、という。

祈ったり、書いたり、静かに過ごされ、そして、ミールの後に、デリー行きのフライトで出たごみ(食材)をすべて持って帰っても良いか?と尋ねてきたそうだ。

もちろん、他のシスターもクルーも全員で手分けしてすべての廃棄食材を入れたのだという。

その時の機内様の黒いビニールのゴミ袋は何袋もでたということで、それを小さなマザーテレサとお仲間が運びながら降機されて行ったそうだ。

その姿を見て私の先輩は、

『ああなんてこと』

と思い、頭を下げたそうだ。

本当に、フライトでは廃棄物が多くでる。

袋は破かれていても、使われないまま置き去りにされたノベルティーバックやスリッパ、切れたイヤホン、ボトルの空。。。胸が張り裂けそうになりながら、良心と折り合いを付けながらみんな働いているのだ。

話は戻って、エジンバラ市内では、主要な道に沿って巨大なゴミ集積箱が設置されている。

だが、これがびっくり!!!!!するくらいに大きいのだ!!!!

かる~く牛1頭入ってしまうほどの大きさ!

ちなみに、私たちが選んだHeriot row通りの地区では、特に決まったゴミ捨て場はなく、代わりに、決まった曜日(週に2回)に、正面ドアの前や、道の曲がり角に積み重ねておくとゴミ回収者が適当に取りに来てくれるらしい。

北国の人に囲まれて、子育てやオムツやゴミ捨てについて考えたり、電気や水道の手配もしなければと思うだけで、スコットランドでの新生活がいよいよ幕を開け、私のなかにも春がやってきたような気持ちになる。

きっと、どこの国であっても、その国の価値観や生活スタイルにあわせて、衣・食・住を楽しもうとしていくなかに、子育ての知恵やヒントは転がっている。

寒がりの私にとっては、まだ真冬のような天候だけれど、それでも、娘の目線でよく見てみれば、可愛らしい花々が公園のあちこちに控えめながらも少しずつ咲き始めている。

この身を切るような冷たい風のなかにあっても、すでに春を感じることのできる北国の愛情深い人々に囲まれて、この先どんな子育て記を綴っていくことになるのだろう。

繰り返すが、学生時代も含めて、海外生活は何度かしたことがあるけれど、異国の地で子育てをするのは本当に初めてのことなのだ。

子連れでの海外移住は、何事につけ、負担や問題に感じることも多いだろう。

でも、自分の属する文化圏外での育児体験は、苦労の多い分だけ、精神的に得るものも大きい。

娘はきっと、観光客として過去に数回訪れたことのあるイギリスに、母親になりたての私を、ごく自然体で引き合わせてくれるキューピットに違いない。

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昔のブログを復刻したものをお読み下さりありがとうございました。

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