
〈休暇でアイスランドにやってきた。首都レイキャビクからほんの20分車で走るともう大自然!
〉→
大学院のクラスでは、全員が全員、20代前半である。
青年も皆いい子たちばかりだ。
母であり妻であり学生である私のことを、それぞれに理解(同情?)してくれているよう。
娘をとっても可愛がってくれるし、
ナーサリーが休日で娘をあずけられず、私がどうしても家にいなければならない時は、
みんな我が家に集まってパワーポイントでの資料づくりをしたり。
親子ともども風邪で倒れた週にはノートを届けてくれたり。
各国のクラスメート、と〜っても親切だ。
なかでも、アメリカ人のアレクサとは特別に通じ合うものがある。
というのも23歳になる彼女は、大学院に入学したと同時に妊娠したのだ。
今でもハッキリ覚えている。
最初のクラスの後、たまたま帰りが一緒になった私達がお互いのプライベートに触れた時のこと。
私が子持ちと知った彼女は、一瞬安堵の表情を浮かべ、
「私も来年おかあさんになるの」と言った。

アイスランドの間欠泉、凄い迫力!
後期に入って、アレクサは、学業の負担を半分に減らすため、フルタイム学生からパートタイム学生に切り替えた。
それによって彼女と顔を会わす機会は週2回から1回に減った。
ご主人はイギリス人の外科医。
彼もとっても好青年だ。
本人も健康そうだし、ヨーガに通ったりしながら妊娠中の体力づくりにもしっかり励んでいて、一見なんにも問題はなさそうなのだが、彼女は毎週の授業で私を見つけるたびに「ちゃんと産めるかしら?」と聞いてくる。
そのたびに私は、おまじないのようにアレクサのやわらかいお腹にそっと触らせてもらいながら
「だいじょうぶだからね、おかあさんちょっと心配しているみたいだけど、一番いいカタチでやってきてね」と声をかける。
そうやって毎週毎週、アレクサに、そしてアレクサのお腹に、
そして、
実は誰でもない私自身に
「だいじょうぶだよ~」を何度となく言い聞かせてきた。
男子学生たちにも影響が
そのうちに、見えない変化がクラスにもあらわれてきた。
それまではまだ若いせいかアレクサの存在にまったく無関心だった男子学生たちが「アレクサのお腹だいじょうぶそう?」と私にたずねてきたり、アレクサに「お腹に手をおいてもいい?」と聞くようになった。
しまいには、国際保健に関する授業でのグループワークのテーマに‘アフリカにおける自宅出産について’を選ぶまでになった。
男子学生も、身の回りに妊婦さんがいると、自然とお産に興味が出てくるのだろうか。
生まれた!

アイスランドの幼稚園見学しました!
そうして、つい2日前、朝起きてパソコンを開けると。。。
「おかげさまで今日大きな女の子が生まれました!」
という喜びのメールがアレクサのご主人から届いていた。
「やったー!」
私はひとり叫んでしまった。
またひとつ新しい命がこの世に生まれた。
さっそく他のクラスメートたちにも連絡をすると、そのうちの一人から、
「アレクサの大きなお腹に触れたことで、大学院で学ぶことが机上の空論に終わらず、つねに現実感を与えてくれてきた気がする」というようなメッセージが返ってきた。
社会に戻すための、学問

アイスランドの幼稚園のセンスのよさにびっくり!
ほんとうに、このアメリカ人男子学生の言うとおりだと思う。
いくらすごいことを勉強しても、
難しいことが解っても、
それが日々の日常にいかせなくては、意味がない。
というか、もったいない!!!
せっかく学ぶ機会を与えられているのだから、社会に戻すことをイメージしてこれからも学生を続けていこう。
そんな勇気をあらためて感じさせてくれたアレクサに、こころから‘ありがとう’と伝えたい。
そして彼女が大学に復帰した暁には、彼女の押すベビーカーの横で、私は娘を遊ばせながら本を探していたいもんだなぁと思ったのだった。
次号に続く→
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