第14回 英語能力が残念すぎる

第1〜4回あたりで書いた通り、新居に引っ越すと連日、電話の接続や、リフォームの残り仕事で作業の方々が出入りし、私は落ち着かない生活の中で開梱作業に精を出した。

その間、書いた通り、ご挨拶まわりにいったり、ゴミ箱や掃除用品など足りないものを買い出しに出かける他、自宅から近いナーサリー(保育園)と語学学校を探した。

これも天の引き合わせか!と思うのだが、偶然にも我が家から徒歩5分の場所に語学学校と保育園が同じ道(かなりの長さの道だが)の端と端にあったのだ。

しかも、そのパターソンという名前の語学学校は2006年当時、大学院の入学に必要なIELTSという英語検定試験の会場で、それはエジンバラ市内に二箇所しかなかった。

週3回娘を預けて、週3回語学学校に通う。

まずはそこからスタートだ。

なぜなら、大学院の入学にはIELTSで6.5のスコアが必要なのだ。

娘はまさに吸い取り紙のように英語を覚えていった。

私も、頑張らないと。入学に間に合わせるためにIELTS英語検定を受けられるのはたった一回、ひと月半しかない。

背水の陣だ。

どうしよ〜無理〜

でも、人は追い詰められると、もう悩まなくなる。

泣いても笑っても一月半しか準備期間がないのだ。

そこで6.5取れなければ、せっかく書いていただいた推薦状も無駄になる。

先生方に申し訳ない・・・

そんな気合いで真剣勝負で学んでいたので、週3回とはいえ、物凄い集中力だった。

高齢出産で娘を産み、頭も鈍っているアラサーが、連日、現地の新聞を読み込まされた。

ガンガンにディベートを行うスタイルのクラスだったので、世界各国の現役生(私より10歳以上は若そう!)に囲まれ、内心私は蹴落とされるような気持ちだったが、幸運にも良い先生に恵まれ、かなりのスピードで読解力を上げていった。

やっぱり、人間、孤軍奮闘する時代は必要。

学校のない日もトイレまで単語帳を持っていき、授乳しながらも英文を読んでいた。

もしこれだけ大学受験で頑張っていたら私はどんなことになっていたのかな?と思うほどに頭が冴えていた。

産後、女性は賢くなると思う。

持てる時間が少なくなるので、タイムマネージの鬼となる。

能力開花なのだ。

この時期の集中力の高さには自分でもなかなか驚いた。

そして、

果たして。。。

試験の日はやってきた!

次へ続く→

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拙い昔(2006年)のブログをお読み下さり有り難うございます!

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心より感謝いたします。会陰について語ってみました。

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第13回子連れで院生になる?

お産は私にとって、広大無辺な宇宙の営みに自分を重ねて、最終的には宇宙そのものとひとつになっていくような、深く大きな体験だった。

その妊娠が分かってからの変容ぶりを間近で追って下さっていたお方がいる。

彼女の話を抜きにしては今の自分を語れない。

まさに天の引き合わせとしか言いようがない、私にとっては。

よしみさんとおっしゃるその素敵な女性は、私が妊娠する前に、まだ数々の仕事をかけもちしていた当時、私のイタリア語教室に来て下さっていた生徒さんのお一人であった。

ダンテの「神曲」を原書で読めるようになりたいんです。

そう彼女はご自身の目標を語った。

イタリア語教室と言っても、初心者向けで、「神曲」なんて私でさえ原文を理解し得ないだろう。

どうしよう、、、凄い生徒さんが来てしまった!

と思っていたが、よしみさんはとても朗らかで、私の稚拙な教え方にも嫌な顔一つ見せずに通って下さっていた。

彼女との時間を重ねていくうちに分かったのは、よしみさん自身が教員であり、3つの大学の英文学の非常勤講師として忙しく教えている、ということであった。

どおりで知性溢れる女性なわけだ。。。と私はすごく納得した。

その後、私がエジンバラに移動することに決まると、よしみさんは、ご自宅で私のために送別会を開いて下さった。

今思い出しても、涙が出るほどありがたい。。。

とても素敵なご自宅で、その広いリビングに椅子をたくさん並べて、よしみさんのお知り合いの方々もいらしていて、なんとも本格的なカレーの香りが漂っていた。

忘れもしないその席で、私はよしみさんから、

「エジンバラへいくなら大学院へ進めるじゃない。いい大学ですよ」

と言われたのだ。

よしみさんは本気ではなかったかもしれない。

励ますために軽い気持ちで言って下さったのかもしれない。

社会人で幼児を抱えて大学院へ行くことは考えていなかったので、私は一瞬どきっとした

が、

いや、待てよ。

と感じた。

なぜなら、例の直感がピロロロ〜とまた私の内側に鳴り響いたからだ。

ひょっとしていけるかも、その道!

と手応えを感じる。

なんとなくドキドキして、

心の底からワクワクしてきた。

早速、エジンバラ大学について調べてみると、当時はまだ出来立ての学部・学科であったが、医療人類学(Medical Anthropology)と呼ばれるものが目にとまった。

その後に正式名称はHealingand Illness (癒しと病理)というサブネームが付けられた進化中の学科だったが、さらに内容を確認してみたら!

パブリックヘルスや、助産の人類学、生殖医療の倫理観、死に寄り添う人類学、などと、まさに自分が勉強したいものばかりではないか!

でも、大学時代の成績表と、教授2名からの英語の推薦状が無いと願書を出せないというので、慌てて成績表を取り寄せ、教授にもお願いをする。

行動すると決めると、早い!

でも、私はひどい成績の学生だったので、どなたにお願いしようか、と悩んだ。

幸いにも、お一人目にお声をかけた佐々木研一教授が即座に快諾してくださり、長文のレターを書いて下さった。

成績が悪くても性格が真面目なので、今思うと、先生方も見守ってあげたいと思う生徒だったのかもしれない。

もう今振り返っても、あんなに短期間に私のために英文を作成してくださり、佐々木先生には本当に感謝の言葉しかない・・・

もうお一方は、なんと!よしみさんのご主人様が書いて下さった。

ご自宅での送別会で一度しかお会いしていないというのに、いろいろと相談に乗ってくださり、そういうことであるならば特別にと私の熱意を汲んで頂き、英文での推薦状を急いで用意して下さったのである。

実は、このご主人様こそ!

死の人類学 (講談社学術文庫)などたくさんの本を書かれ紫綬褒章を叙勲されている

山下晋司先生であった。

彼こそ、東京大学大学院総合文化研究科名誉教授であり日本を代表する文化人類学者だったのだ。

なんという巡り合わせ。

人生とは、予想外の連続である。

イタリア語の生徒さんであったよしみさんのご主人様の丁寧な推薦状と、母校の先生の「自信を持ってこの生徒を勧めます」と盛り盛りのて〜んこ盛りにして書いて下さった推薦状(英文だけ読むと私でなく別人のよう笑)を受け取ると、成績表と合わせ、大急ぎで郵便局からエジンバラ大学の大学院へ送った。

娘には、受かってから言おうと思っていた。

でも、書類を提出すると気が緩んで、結果がどうであってもいいよいいよ。

渡英まえに出来るだけのことはしたんだから。

と思い、娘にも「おかあさんね、おべんきょうしたいことがあるの」

と伝えた。

すると「おかーさんがんばって〜」

と笑顔で言われただけだったが、その一言が凄くパワフルで、なんだかとっても元気がでてきた。

しかし、、、試練は待っていた。

→次号に続く

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お読み下さりありがとうございました。

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ちなみに↓文化人類学的に見ても、

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第12回 お産椅子への旅の謎 

日本からごっそり本を持ってきた。

私は本が無いと死んでしまう〜という人だ。

06年春、東京の家を引き上げるにあたって、運送会社用に品物リストをつくった。

保険のためとはいえ、これが本当に面倒くさくて、スプーン10本何千円相当とか、Tシャツ20枚およそ何千円とか、いちいち金額まで記入しなくてはならない。

ため息をつきながら一冊ずつ数えたところ、約1000冊あった。

かなり捨てて、

かなり古本屋にまわして、

かなり屋根裏部屋に残して、

それでもどうしてもスコットランドまで持っていきたい本が、

1000冊である!!!!

『こんなに持って行ってもいいんだろうか。。。』と考えたけれど、送って本当によかった。

だってさ、外国にいると、ときたま日本語がたまらなく恋しくなる。

最近あらためて読んで面白かったのは、『お産椅子への旅』(長谷川まゆ帆 岩波書店)だ。

著者は東大の先生で、今やほとんどの人が聞いたことも見たこともない不思議な『お産椅子』というツールをめぐる歴史的考察が見事にまとめられている。お産椅子への旅―ものと身体の歴史人類学Amazon(アマゾン)1,387〜6,400円

『自分らしさ』に水をやる

座って産む(座産)ための椅子が、なぜ16~7世紀にヨーロッパ中に伝播し、そして19世紀に瞬く間に消えていってしまったのか?

筆者、長谷川氏が旅を重ねつつ、文化人類学の視座から、‘新しい感覚や感受性を生み出していく『もの』と、身体の力学、ダイナミズムに目を開かれ(本文引用)’ていくその過程は、普段なにげなく在る周囲の『もの』と自分との関係を今一度考えさせてくれるものだった。

一冊本を読むと、またひとつ世界が開けたような気持ちになる。

世界があまりに広くて、自分があまりにも何も知らなさすぎて、怖さに打ち震えてくることもある。

でもね。

昼間、エジンバラの街中で、英語を少しでも上手に操ろうと頑張ってみてもさ、自分が現地の小中学生レベルに思えて情けなくなる私でしょう。

そんな中、夜なべして1冊を日本語で読みきると、なにか『自分らしさ』のようなものに水をやった気がしてスーッとしたりするんだ。

となると、『自分らしさ』とは、いかに、言葉をふくめた『文化』に依存しているものかと思ってしまう。

いきなり太字ですみません↓

よっしゃ文化人類学からお産を学ぶ!

私が日本から持ってきたお産関係の本は、文化人類学系に偏っている。それも医療人類学関連ばかりだ。急激な医療化が人々の生活にどのような影響を与えてきたのかを考える医療人類学において、お産とはわかりやすい研究対象のひとつなのだ。

と思いっきり太字で強調してしまった(汗っ)。

今月でちょうど2歳半になる娘を開業助産師に見守られてホームウォーターバースで産んで以来、お産とはさまざまな可能性を秘めたものだと思うようになった私だが、文化人類学の本を読めば読むほど、ここUKはお産を学ぶにはもってこいの場所だと認識する。

妊娠中の母子の経過が良好で、もともと健康に特に問題のない女性で、正常産が予想される場合。

しかるべき介助者(ミッドワイフ)とのホームバースはより安全でより安楽なものになる可能性が高いといったことも、WHO(世界保健機構)も提言しているように、日本よりもUKではしっかり認識されているのだ。

さすが、RCM(ロイヤルカレッジオブミッドワイフリー)の王立助産師学校がしっかりと整っているNHS(国立病院)システムを誇るイギリスだ。

ガンガン学んで、日本の未来に恩返ししていきたい。

まずは助産師さんの応援だな!

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お読み下さりありがとうございました。

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