木村 章鼓です。
いよいよ令和元年になりますね。ハーモニカの上手な祖母は「令子さん」なのですが、その祖母を中心にみんなが和合して、家族、親族とこれからも仲良く過ごしていきたいね。。。と話しています。
【春・私たちも植物に抱かれている珠のひとつ】
さて、4月に入ったとはいえ、ヨーロッパの朝晩はそれなりに寒いです。足湯好きの私に育てられた子どもたちは、真冬であれば毎日のように、「おかーさーん足湯する~」とか、「湯たんぽ入れて」などと自分たちからリクエストするのですが、春は、油断すると風邪をひいてしまう季節です。
「暑いからTシャツでいい」なんて言う高校生の娘のふくらはぎから足先までを触ってみると今日も冷えています。大人たち同様、現代はコンピューター使用の宿題が増えてきたせいで、同じ姿勢でのパソコン作業により子どもたちも血のめぐりが悪いのですね。
でもそこは若さ。娘は大好きなKポップで数曲踊れば全身が火照ります。小学生の息子は脚を両手でゴシゴシさすってあげるとポッと種火がつき、一気に熱くなります。息子の方がカーッと熱くなるまでの時間が高校生よりもっとずっと早く、寝かしつけのタイミングであればすとんと眠りに落ちてくれます。
ですので、私が自身の体温管理に一番手間暇かけているかもしれません。靴下3枚重ねて室内履き。そうやって足首を守り、軽く汗をかけるエクササイズもサボりつつも頑張っています。ネルコットンの腹巻きもして、不定期にひまし油シップをしたり、ビワの葉エコナプキンを使ったりと、いいものを取り入れる気合だけは人一倍です。
食生活では、できるだけ玄米7割のご飯を頂くようにして、パンケーキを焼く時は砂糖をいれない回数を多くして、上から蜂蜜をかけて頂きます。クッキーの粉にも全粒粉に対して一割近く、からだを温める葛粉も混ぜますし、オートミールの粥にもショウガを入れたり、自家製甘酒を飲んだりとできる範囲内で日々努力しているつもりです。
私が体温について日々あれやこれやと工夫をするのはなぜでしょう?
それは、パリが東京よりもずっと不衛生だからです。通称ガストロなどに罹りやすいので、自己免疫を高め、体温だけは高めに保っておきたいという理由がしっかりあります。実際に、下半身を温めることがどれだけ重要かを思い知らされた体験がありますのでご紹介しますね。

【毎日植物から教えてもらっていること。今のここで、生命力にゆだねる!】
一年ほど前のこと。しゃがむと背中が出てしまうようなセーターを来て、せっせと訪問ドゥーラをしていました。妊婦さんに向けては出産への準備や養生について、そして産後の方には赤ちゃんとの過ごし方や授乳育児ケアなどをさせて頂いている身にもかかわらず、日々の生活に流されていた当時、自分の腰回りがここ数日冷えているなぁと気遣ってあげられていない時期がありました。
ある日の夕方、「なんだか異様に寒い。。。」と感じた矢先、キリで軽く突かれたような最初の一撃が。それは訪問ケアを終え靴を履いた瞬間でした。そのまま、まったく症状のない状態からわずか30分ほどで一気に悪化し、あと地下鉄ひと駅で我が家という地点で血尿を流してしまったのです。幸い黒いズボンをはいていて、量も車内の床を汚すほどではなかったのですが、人目を避けながら一人這うようにして電車を降りました。腸のねじれるようなあまりの痛みに何度も倒れそうになりながら玄関に辿りつきましたが、目の前がかすんで本当に大変でした。駅の目の前に住んでいて本当に良かった、、、とこの時ほど思ったことはありません。
「突発性膀胱炎」に罹ったと早い時点で知ることができたのは、私の帰宅時間に合わせて遊びに来て下さった友人のおかげです。あまりの痛みで、約束をキャンセルすることすら思い浮かばず玄関でぐったりしていた私を、何も知らずに到着した中村淳子さんが介護し、その後、急患で運び込んで救って下さったのです。この巡り合わせには心の底からの感謝で、今思っても天の計らいとしか思えません。
さすがは何十年とエールフランスで飛んでいらした淳子さん。見事な司令塔となって、うちの娘と連携しながら布団を何枚も私にかけつつ病院に予約を入れ、真っ赤な尿で7-8分おきにトイレへ這っていた私の下腹部を根気強く湯たんぽで温めるように娘に指示してから、自らはコートを羽織り、私に代わって病院の列に並んで下さったのです(フランスでは急患でもよっぽどの状態に‘見えない’限り待たされます)。
後から思えば、一番役立ったのが下半身を徹底的に温めることでした。複数の湯たんぽを次から次へと娘が用意してくれたのですが、湯たんぽの熱は私の腹部へと移行してどんどん冷めていきます。あり得ないスピードで次から次へと湯たんぽの選手交代。。。
自分が一体どれだけ冷えきっていたのかと愕然としました。
そうやって、診療前に湯たんぽでとことん温める事ができていたことは不幸中の幸いでした。列に並ばずに済んだおかげでギリギリまで自宅でも休めました。診察へも湯たんぽ持参でしたが、すべては淳子さんのおかげです。温めるだけであれだけ酷かった痛みが和らぎ、気持ちは不思議なくらいどんどん落ち着いていきましたから。しかも、嬉しいことに、抗生物質を飲まずに約2週間で完治できたのです! 飲まなかったなんて信じられないと思われるかと思います。確かに、調べてみると、急性膀胱炎は抗生物質を使うのが一般的です。
実は私には、以前スコットランドに住んでいた時に、たった一粒の、咽頭炎のために処方された抗生物質によって、酷い吐き気に襲われ、全身がガクガクと震えながら真夜中のトイレで気を失うというとても怖い体験があります。私は174センチの大柄なのですが、この私が小さな錠剤によって死ぬような思いを味わったのです。どのような薬剤であっても副作用のないものはないと思え、とは頭では知っていたものの、あの晩以来、‘教訓’に変わりました。幸いにも意識が戻ったおかげで今の自分がある訳で、抗生物質とは本当にパワフルで救命に役立ちながらも、一方、それ強力さゆえに、恐ろしいものだと認識しています。
そんな経緯があるために、膀胱炎に効くクランベリージュースの原液を大量に飲み、常時適温に下半身を温めながらトイレに通いつづけることで、腸内細菌の多様性を減らさないようにしながら時間をかけて治す方を選んだのです。
繰り返しになりますが、丁寧に下半身を温めることで免疫が高まることはもちろんですが、自分の気持ちが落ち着いていくということも、治癒に向けてとても大事な要素だと痛感しました。これまでドゥーラとしてお産に立ち会う時には必ず女性の下半身を温めて差上げてきました。そこへもってきてこの実体験です。おかげさまで「温め続ける事は気持ちを落ち着けることなんだ!」と深く理解できました。
例えば、イギリスでエストニア人一家のホームバースに立ち会った時には、「もっと熱々がいい!」という産婦さんからの強いリクエストに答えて、NHS(国民医療保険)から配属された助産師さんの見守る中、30分おきくらいに湯たんぽのお湯を取り替えたこともあります。言葉や文化が異なっても古今東西、お産の時には下半身を温めることを大切にしてきた女性たちの知恵を感じました。その方はパワフルに元気な赤ちゃんを産みましたが、やはり血を温めることは、気の流れというか、気力を高めるのだということも学びました。

【私の大切にしていること。今に感謝すること。「ここ」を味わうこと】
私たちの身体の中では、血液と気とが絶えずゆるゆるとまわっています。爪や、骨肉、そして髪の毛を育むのが血液の仕事。冬場や季節の変わり目はそのバランスをとりにくいんですね。
10年以上前、妊産辱婦向けの中医学講座を受講していた時に、単に「血」といっても、漢方医学と西洋医学ではその意味はかなり違うのだと教わりました。腸内に潤いを与えてくれたり、トイレにいきやすく促してくれたり、全身の関節たちが潤滑に動いてくれるように幅広い仕事をしているのが中医学でいう血なのだよ、と。
その血は健康であれば、皮膚や眼球の表面を潤す栄養になったり、筋肉を動かしたり、考えたりするエネルギーとして本来の「血」の働きを確実にこなしてくれる。
ちゃんと循環していれば、のぼせないように、寒くならないように、絶えず全身の体温調整もしてくれている。
精神的にもほっこりとした安定感を保ってくれたり、イライラしにくくなったり、血が全身をスムーズに廻ってくれているおかげで、私たちは健康に生きていられる。
でも、忙しくて睡眠を十分にとれていなかったり、栄養が摂取できていなかったり、適度に体を動かせていなかったり、シャワーだけの日が続いていたりでその流れが停滞すると、まず腰痛気味になるのが多いパターンです。
肌がくすみ、頭痛や肩こりとネガティブ症状のオンパレードが続き、眠りたいのに寝付きにくくなったり、血がドロドロとなってくると血管がつまって高脂血症になり下肢静脈瘤にもなりかねない。最悪は、訳もない不安感が増したり、まさに気力に大打撃を与えます。
春の毒だしとは言ったもの。季節が暖かくなっている今のような時期こそ、心身に溜め込んでしまった不必要なものや感情を血や気のめぐりに乗せて解かせるチャンスでもあります。できるだけ油断をせずに下半身を温めることで緩ませ続け、全人的にみて流れの滞らない体づくりをしていけたらいいですね。

【女性たちが集まる度に感じる。そこが特別の聖地になることを。。。
近頃の私は‘モダン魔女’を目指しています!】
<お知らせ>
これまでほぼ毎月のように、これから産む方、すでにお母さんのフランス在住者のために楽しい企画を提供している『しあわせバース@パリ ~妊娠・出産サポートネットワーク』
ですが、お陰さまで少しずつ確実にパリのお母さま方に浸透してきました。
今月からは、さらに、『Himemama Paris』というママ支援コミュニティーの代表としても活動し始めました。『しあわせバース』よりも習い事や文化的、芸術的な要素の強い活動です。生まれたてですが、今後、多くのファミリーを繋ぐ懸け橋になっていけたら幸いです。
この夏は一時帰国しますが、再びドゥーラシップジャパンでもお話会が開催されます。
日本のドゥーラたちの拠点となっているドゥーラシップでは、活動に共感して下さるシップメイトを常時募っています。
https://www.doulashipjapan.com/aboutus
上記、3つのオフィシャルサイトは頻繁には更新されていませんが、フェースブック上では活発に活動している、もしくは活動していく予定ですので、よろしければフォローをお願いいたします♪
みなさまからの「イイね!」をお待ちしています。
いつも拙い文章をお読みください、本当にどうもありがとうございます!
木村章鼓 ノマドゥーラ ウェルネス in Paris
https://nomadoula.wordpress.com/